【ホープフルS】「ポテンシャル高い馬」武豊騎手がG1完全制覇へ思い出の多いキタサンブラック産駒で挑む

キタサンブラックの息子のヤマニンブークリエ
キタサンブラックの息子のヤマニンブークリエ

◆第41回ホープフルS・G1(12月28日、中山競馬場・芝2000メートル)

 中央競馬の2024年を締めくくる第41回ホープフルS(28日、中山)で、武豊騎手(55)=栗東・フリー=がヤマニンブークリエでJRA・G1完全制覇を目指す。先週は風邪で騎乗を見送ったが、今週から復帰する予定。ラストランだった17年の有馬記念を制するなど、現役時代にG1・6勝へ導いたキタサンブラックの産駒で、前人未到の偉業を狙う。

 積み重ねてきた歴史の集大成に挑む。武豊はこれまでJRA・平地G1・23レースで計83勝だが、ホープフルSだけ勝っていない。コンプリートを狙う、今年のパートナーはヤマニンブークリエ。「あと1というところですし、完全制覇したいですけどね。G1になる前は勝っていたんだけど」と笑う。オープン特別時代に2勝(99年エアシャカール、06年ニュービギニング)したが、17年のG1昇格後は同年のジャンダルムでの2着が最高だった。

 ブークリエを送り出す松永幹調教師は06年までの騎手時代に1400勝を挙げ、武豊の1つ上の先輩になる。だからこそ、完全制覇の重みが分かる。「すごいですよ。こんな人は二度と出てこないと思う。豊は一緒に乗っている頃から普通に乗って勝つというか、簡単に勝っているような感じだったなぁ」と振り返る。

 熱い思いも後押しする。松永幹調教師にとって、ブークリエは初めて預かるキタサンブラック産駒。「だから、豊に乗ってほしいと思って、お願いしたんですよ」と明かす。新馬を鮮やかに差し切り、次戦の黄菊賞は2着だったが、1勝馬ながらもG1挑戦を決断。それが武豊にとっても思い出の多い父の産駒でのJRA・G1初挑戦となった。

 21年にドウデュースで朝日杯FSを制してから、「マジック1」での挑戦は4回目。レジェンドは「新馬の内容が良かった。粗削りですけどね。ポテンシャルは高い馬だと思うので、楽しみはあります」と意気込んだ。先週は風邪で騎乗を見送ったが、今週は復帰できる見込み。飽くなき勝利への探求心を突き詰めた先に、前人未到の大偉業が待っている。(山本 武志)

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