武豊騎手(51)=栗東・フリー=が今週末の中京で、牡牝の期待馬をクラシックへと導く。桜花賞前哨戦で歴代最多タイ5勝のエルフィンS(6日)はエリザベスタワーで無傷2連勝へ。歴代最多6勝の第61回きさらぎ賞・G3(7日)にはディープインパクト産駒ヨーホーレイクで挑む。
ユタカがクラシックに向け、勝負ウィークだ。武豊は「今週はこの2頭で春が楽しみになる競馬ができれば。ここで結果を出さないといけない」と牡牝の素質馬に強い意気込みを見せる。
05年のエアメサイアなど、歴代最多タイ5勝のエルフィンSでコンビを組むのはエリザベスタワー。キングマン産駒の牝馬は、昨年暮れのデビュー戦では直線で楽々と突き抜け、大物の片りんを見せつけた。いっぱいに追われなくてもラスト3ハロン33秒6の末脚を繰り出したパフォーマンスに、武豊は「強かったですよ。スタートでちょっとつまずいたけど、道中は上手に走ってゴーサインを出してからの反応も素晴らしかった。先々まで、と思わせるような勝ちっぷりでした」とほれ込む。昨年、無敗の牝馬3冠を達成したデアリングタクトが2戦目に勝った出世レースで2勝目を飾り、桜花賞に進む青写真を描く。
そしてクラシックへの登竜門、きさらぎ賞は98年のスペシャルウィークなど歴代最多6勝。今年、騎乗するディープインパクト産駒のヨーホーレイクは、ホープフルS(3着)では出遅れながらも最速タイの上がりで追い込んで地力を示した。武豊は「状態はいいと聞いています。前回はゲートに入ってから落ち着きすぎて発馬が出なかった。ラストは来ていただけに、普通にスタートを出ていれば、もっと際どかった。力のいる馬場はデビューから2回ともこなしているし、いい競馬を」と重賞初Vのチャンスとみる。
昨年はJRA重賞を5勝したが、G1勝ちはできず。52歳になる今年、19年の菊花賞(ワールドプレミア)以来の大舞台での勝利に向け、真冬の尾張で大きな一歩を刻みたい。(内尾 篤嗣)