◆第81回桜花賞・G1(4月11日、阪神競馬場・芝1600メートル)
トライアルの報知杯FR勝ち馬で桜花賞を制したのは、05年のラインクラフトが最後。今年の覇者シゲルピンクルビーには、一昨年2着の姉シゲルピンクダイヤの雪辱もかかる。姉妹を所有する森中蕃(しげる)オーナーにとっては、初のG1制覇を狙うクラシック開幕戦。愛馬への思いを聞いた。(取材・構成 内尾 篤嗣)
―シゲルピンクルビーは報知杯FRで重賞初制覇。勝った時の気持ちは?
「平地重賞はアラブのシゲルホームラン(95年セイユウ記念)以来で、20年以上も前。サラブレッドは初めてで心から感激しました。お祝いの電話はレース後1時間以上も鳴り止まず、お花もいっぱい届き、皆様に感謝しております」
―姉のシゲルピンクダイヤは19年の桜花賞で2着。その妹で期待の大きな馬だったのでは。
「姉があれだけ走ったので、妹もセンスがあると思っていました。新馬戦の勝ち方がきれいだったから、期待して次に阪神JFに出したら、なんとブービーの17着。でも、キャリアの浅さが出ただけと思っていました。冬を越して成長し、初戦で見せた脚をトライアルでも使ってくれてホッとしました」
―19年夏のセレクションセールで2800万円で落札。
「姉が桜花賞で頑張った後のセールだったので、目を付けていました。馬を買うとき、一番大切にしているのは歩様です。前脚が来た後に、後ろ脚がグッと踏み込んでこないといけません。それは体が柔らかいということ。ピンクルビーも踏み込みが素晴らしかったので、走りそうと思っていました。それにアドバイザーとして見ていただいた沖芳夫・元調教師のお墨付きもありましたからね」
―初めてのG1勝利、クラシック制覇にかける思いは?
「G1は賞金ではなく名誉、誇りを求めて馬を送り出すもの。60年ほど馬主をやってきて、初めて勝つことができたら馬主冥利に尽きます」
―今年の桜花賞は白馬のソダシに、アカイトリノムスメがいて「紅白対決」で盛り上がっています。最後に意気込みを。
「赤と白だけではなく、ピンクもいるぞというところを見せたいですね。もちろん有望な一頭だと思うし、私の馬はよく穴をあけるんですよ。いい競馬をすれば、オークスに行くつもりです。ファンの皆さん、応援をよろしくお願いします」
◆森中 蕃(もりなか・しげる)兵庫県神戸市生まれ。証券会社の元代表取締役会長。馬主として中央、地方で「シゲル」を冠名とする競走馬を所有。阪神馬主協会元会長、現名誉会長。主な所有馬はシゲルホームラン(93~95年セイユウ記念、93年JRA賞最優秀アラブ)シゲルジュウヤク(12年新潟JS、13年阪神スプリングJ)。
<シゲル軍団現1歳馬の馬名募集>
来年、2022年にデビューするシゲル軍団の現1歳馬の馬名を募集します。はがきに〒住所、氏名、年齢、電話番号と馬名「シゲル○○○○○○(シゲルを含む最大9文字)」と馬名の意味や理由を一頭ずつ明記(1枚のはがきに3頭まで)のうえ、〒531―8558 報知新聞社レース部「シゲル馬名」係まで。4月26日(月)までに到着したものを森中オーナーに届けます。なお、採用された馬名のすべての権利は森中オーナーにすべて帰属することをご了承ください。
ちなみに、今年デビューの2歳馬は「楽しいかなと思う名前」(森中オーナー)でイワイザケ、マンカイなど。現3歳の「役職」などの統一テーマは設けておらず、現1歳も現段階では設定しない予定。「毎年40頭ほどいるから10頭ほどを紙面で募集したらいいと思います。届いたアイデアの中から、いいなと思った名前をつけましょう」と森中オーナー。採用された馬名に関しては、今年末に報知新聞社のHPで発表する予定です。