◆第81回皐月賞・G1(4月18日、中山競馬場・芝2000メートル)
父ドゥラメンテに続く、1冠目勝利に期待がかかるタイトルホルダー。管理する栗田徹調教師も、義父の博憲元調教師が14年にイスラボニータで制しており、人馬ともに父子制覇の懸かった一戦だ。
「父がすごく喜んでいたし、僕自身もうれしかった」と栗田師が当時を振り返った。この時、父は65歳の大ベテランで「僕も開業していましたが、もう雲の上の人だった。調教師を長く続けると、下降線になることも多いなかで、クラシックを制すなんてすごいと思いました」と尊敬の念を抱いていたという。
タイトルホルダーは、その父の厩舎にいたメーヴェを母にもつ。出会いは18年のセレクトセールで、「品のいい馬だなと感じました」と好印象だった。その期待に応え、前走で報知杯弥生賞ディープインパクト記念をV。この勝利は「父も喜んで、お祝いをしてくれました」とうれしそう。
「普段からよく話しますし、父とは仲がいいですよ。引退して第一線を退いたからこその目線で、出走のローテーションに関してなど、僕とは違った目線でアドバイスをしてくれます」
父子制覇については「気にしていないですね。まずは、しっかり仕上げて出すことだと思っています」と話すように後からついてくるものだが、「体が締まって張りが出てきました。前走より状態はいい」と、さらに上昇ムード。大一番に自信を持って臨む。(志賀 浩子)
◆栗田 徹(くりた・とおる)1978年3月16日、千葉県生まれ。43歳。日本獣医畜産大学(現・日本獣医生命科学大学)卒業後、ノーザンファームで育成を経験し、JRA競馬学校入学。美浦・萩原清厩舎の厩務員を経て、栗田博憲厩舎で調教助手に。11年3月に美浦で開業。JRA通算189勝。重賞は21年報知杯弥生賞ディープインパクト記念・G2を含む3勝。