現役時から今日まで、日本の競馬の発展させてきたディープインパクト。今年は娘のラヴズオンリーユーがBCフィリー&メアターフの初制覇など海外G1で3勝を挙げ、世界に日本の競馬の力をとどろかせた。
現1歳が最後の世代となるが、初めて有馬記念に産駒を送り出したのは13年ダノンバラード。初年度産駒だが、5歳での参戦だった。父子有馬制覇を達成したのは14年ジェンティルドンナ。この年はディープ産駒が半数近い7頭出走した。ディープがリーディングサイアーの地位を不動のものとした象徴と言えよう。その後、サトノダイヤモンドも産駒Vを果たしたが、今年はとうとう産駒の有馬出走がない。一つの時代の区切りを感じる。
ディープ産駒はいないものの、その血を引くキズナとディープブリランテの産駒は出走する。また、ディープとともに国内のレベルを高めていったキングカメハメハとハーツクライの産駒も残りわずかな世代となり、それぞれ1頭ずつ出走する。キングカメハメハの子ロードカナロアとドゥラメンテの産駒も出走する。
オグリキャップで競馬ブームが来た頃にスタッドインしたサンデーサイレンス。それ以降の競馬が急激にレベルアップし、父系を伸ばす時代に突入した。ディープ、キンカメのみならず、02、03年に有馬記念を連覇したシンボリクリスエスの後継であるエピファネイアからは、クラシックホースが2世代連続で輩出された。3歳で天皇賞・秋も制したエフフォーリアはファン投票1位でグランプリに挑む。
エピファネイアの来年の種付け料は、国内最高額の1800万円(受胎確認後)と発表された。19年まで250万円だったが、産駒で実力を見せつけ、7倍以上にはね上がった。阪神ジュベナイルフィリーズをサークルオブライフが制して3世代G1馬を送り出し、名実ともに最強種牡馬に上り詰めたエピファネイア。今回の有馬には、コントレイルの3冠を苦しめたアリストテレスを含む産駒2頭が出走する。ディープインパクト産駒の出走がない年に、国内最強種牡馬の道を歩むエピファネイアの産駒たちが、どんな走りを見せるか…。「◎エピファネイア」とする。(競馬ライター)