◆第25回チャンピオンズC・G1(12月1日、中京競馬場・ダート1800メートル)
第25回チャンピオンズC・G1(12月1日、中京)で、サンライズジパングがみやこSに続く年長馬撃破で史上6頭目の3歳馬によるVを狙う。東京ダービー馬のラムジェットの回避により、唯一の参戦となるフォーエバーヤング世代。来春、定年を迎える音無秀孝調教師(70)=栗東=には、19年クリソベリル以来の制覇が懸かる。
押せば押すほど伸びてくる。唯一の3歳馬となったサンライズジパングは今秋、砂路線に矛先を定めると3戦2勝。勝った2戦ともに道中から激しく手綱を動かされても止まらない。そして、最後に外から馬群をのみ込む。インパクト抜群だ。音無調教師が「心肺機能が高い」と驚けば、平井助手は「絶対にかからない。エネルギーロスが少ないから止まらないんです」と説明する。
自らの走りで道をこじ開けた。秋の始動戦だった不来方賞はジャパンダートクラシック、前走のみやこSはチャンピオンズCへの“勝負駆け”。勝たなければ賞金面で出走は厳しかったが、ともに完勝。特にみやこSはレース中に激しい打撲を負い、脚が腫れた状態で引き揚げたJDC(3着)のわずか1か月後だった。「勝たなければいけないレースで、しっかりと勝ち切ってくれるんです」と平井助手はたたえる。
恵みの“1キロ”が後押しする。12月1日の施行になる今年は3歳馬が古馬と2キロ差の56キロで出走できる【注】。19年以来のことだが、5年前に勝ったのは音無厩舎の3歳馬クリソベリルだった。今回は同じような状況で、当時以来の3歳馬Vを目指す。トレーナーは「クリソベリルは2キロ分で勝ったと言われたよ」と笑った。
このレースでレモンポップが現役引退。去りゆく王者との初対決に、伸びゆく勢いをぶつけたい。「みやこSはギリギリ間に合ったという感じ。どこまでやれるか」と来春に定年引退を控える音無師は最後の挑戦に手応え。歴史は繰り返す。(山本 武志)
【注】3歳馬は1600~2200メートルで古馬との基礎斤量差が11月は2キロで、12月は1キロの規定。今年は12月1日の施行だが、週末の開催は30日から始まるため、この場合、2キロ差が日曜にも適用される。