2021年夏の北海道で力を蓄えたソーヴァリアント(牡4歳、美浦・大竹正博厩舎、父オルフェーヴル)は間違いなく今年大きく飛躍を遂げる1頭だ。
2走前のセントライト記念では最後の直線で完全に抜け出したところでアサマノイタズラの強襲に遭い2着に敗れたものの、前走のチャレンジCでついに重賞初制覇。母がジェンティルドンナのジェラルディーナとの対決にも注目が集まったが、2着ヒートオンビート以下に3馬身半差をつけて全く問題にしなかった。レース後、クリストフ・ルメール騎手が「G2、G1で絶対にいけると思います」と絶賛するほどの堂々たる勝ちっぷり。あえて名手がG1級と公言するあたり、まだ底知れない能力を感じ取っているからこそだろう。
デビューから3戦ほどは出遅れるシーンが目立ち、2戦目には禁止薬物が検出されて失格になるなど、なかなかリズムに乗り切れなかった。しかし近走はゲートも速く、先団につけられるまでに成長して完全に軌道に乗った。母は桜花賞3着馬ソーマジックと血統背景もしっかりしており、今年の中距離路線を大いににぎわせてくれるはずだ。(石行 佑介)