◆第72回スプリングS・G2(3月19日、中山・芝1800メートル)
今週は皐月賞トライアルのスプリングS・G2(19日、中山、3着までに優先出走権)と若葉S(18日、阪神、2着までに優先出走権)が行われる。ヤマタケ(山本武志)デスクと坂本達洋記者が牡馬戦線を徹底分析。
ヤマタケ(以下、ヤ)「年明けの対談で“混戦”と言ったけど、状況は全く変わっていない。というか、拍車がかかったな。今年の3歳牡馬クラシック戦線は、恐らくずっと混戦のまま進むんじゃないかな」
坂本(以下、坂)「これだけ番付上位馬がクラシック不出走な年も記憶にないですね。ドルチェモアはNHKマイルC目標のマイル路線。ドゥラエレーデはドバイ参戦ですもんね」
ヤ「特にドゥラエレーデは国内にもおらんもんなぁ。イメージ的には“張出横綱”かな。本家の相撲では1994年に廃止になっているらしいんやけど…」
坂「アリだと思います。それはそれとして、今週は皐月賞トライアルのスプリングS。番付上位に名乗りを上げる馬が出てきますかね」
ヤ「セブンマジシャンが面白そうやね。デビューからの2戦は先行、差しと違う形で連勝。競馬センスの高さは中山で生きそうで、高野調教師も『ダービーよりは皐月賞の舞台が合いそう』と分析している。前走の京成杯は道中の不利も痛かった。今回は2か月ぶりだけど、『より成長していると思う』と高野師は手応えを持っているのも頼もしい」
坂「そう考えると京成杯を圧巻の末脚で勝ったソールオリエンスは大関にランクインでOKでしょう。手前みそですが、推したかいがありました(笑い)」
ヤ「はいはい…。それで肝心のスプリングSの注目馬は?」
坂「無傷の2連勝中のホウオウビスケッツです。前走のフリージア賞は1分59秒3(東京・芝2000メートル)の好時計で逃げ切りV。前向き過ぎる気性面の課題はありますが、奥村武調教師が『能力、スピードがあるのは間違いない』と認める素質馬。ここは同型がそろって試金石の一戦とみますが、秘める伸びしろに期待したいです」
ヤ「阪神では同じく皐月賞トライアルの若葉Sがあるな。坂本がダービー馬候補に推しているダノンザタイガーが回避して青葉賞に回るのは残念だけど、私のダービー馬候補のセレンディピティなんて、まだ1勝馬やし、来週の毎日杯は“勝負駆け”になりそう」
坂「ここまで話を進めても、明らかな主役は見えてきませんね。そう言えば若葉Sに参戦するハーツコンチェルトも前走より調整過程が順調で、巻き返しへ期待が膨らみますよ!」
ヤ「こらこら、推奨馬すら絞れなくなったらダメやろ」
坂「これは一応、菊花賞馬候補に挙げていますが…」
ヤ「やっぱり混戦は間違いないか」
〈◆主な有力3歳牡馬の次走〉
◆UAEダービー(25日、メイダン)
ドゥラエレーデ(池添)、ゴライコウ(新谷)、デルマソトガケ(音無)
◆毎日杯(25日、阪神) キングズレイン(手塚)、マイネルラウレア(宮)、オメガリッチマン(安田翔)、ノッキングポイント(木村)、セレンディピティ(音無)
◆ニュージーランドT(4月8日、中山) ドルチェモア(須貝)
◆皐月賞(4月16日、中山) ソールオリエンス(手塚)、ファントムシーフ(西村)、フリームファクシ(須貝)、タスティエーラ(堀)、ダノンタッチダウン(安田隆)、トップナイフ(昆)、タッチウッド(武幸)、シャザーン(友道)、ガストリック(上原博)、グリューネグリーン(相沢)
◆青葉賞(4月29日、東京) ダノンザタイガー(国枝)、オープンファイア(斉藤崇)