◆第84回オークス・G1(5月21日、東京・芝2400メートル)
第84回オークス・G1(21日、東京)は、牝馬2冠を狙うリバティアイランドが断然の主役だ。桜花賞で2着馬に騎乗した鮫島克駿騎手が、敗戦の衝撃を振り返る。
人馬そろってのG1初制覇が視界に入った瞬間だった。コナコーストと鮫島駿は、直線でいったん前に出られたペリファーニアを差し返して先頭に立った。「感覚としてはラスト50メートルくらい。一頭だけ勢いの違う馬が来たな、と。真横に並んだ時は“圧”を感じました」。離れた外を貫いた2歳女王に3/4馬身かわされ、2着でのゴールとなった。
「前に行って、インを通った馬が有利」。前日も阪神で騎乗していた26歳は、大一番を前に芝コースの特徴を読み切っていた。「積極的に」と2番手を確保したレースもプラン通り。4角は16番手通過の女王のはるか前方にいたが、それでも及ばなかった。「馬場傾向を覆せるくらいの能力。素晴らしい馬なのは間違いありません」
勝ち馬はどこから伸びてきたのか。パトロールビデオを見直し、さらに驚きは増したという。「もちろん、ジョッキーのエスコートがあって発揮されたパフォーマンス。桜花賞のリバティアイランドに関しては、勝つべくして勝ったレースだと思います」。パートナーを信頼し、冷静に乗った川田の手綱さばきにも脱帽している。(吉村 達)