【天皇賞・秋】武豊騎手、イクイノックス撃破へ自信「あの馬を負かしたのはドウデュースだから」

久々の実戦に臨むドウデュースと武豊
久々の実戦に臨むドウデュースと武豊

◆第168回天皇賞・秋・G1(10月29日、東京・芝2000メートル)

 第168回天皇賞・秋は29日、東京競馬場で行われる。イクイノックスと昨年の日本ダービー以来の“再戦”となるドウデュースは、主戦の武豊騎手(54)が熱い思いを胸に復活へ力を込めた。

 もう一度、“最強”を証明する。天皇賞・秋で、ドウデュースと武豊がイクイノックスと再戦する。昨年の日本ダービーでは2着に封じたものの、以降の歩みは対照的。ドウデュースは凱旋門賞で大敗(19着)し、今年のドバイ・ターフで出走取消。一方、イクイノックスは国内外でG1・4連勝中と無双状態だ。それでも、武豊は言う。「やっぱり、あの馬を負かしたのはドウデュースだから」。その声には、自信と闘志がみなぎっていた。

 タイム差なしの首差決着だった昨年のダービーは、まさに2頭だけの世界。直線で武豊がムチを入れると、ドウデュースは驚異的な爆発力を見せた。他馬を置き去りにするなか、唯一食らいついたのがイクイノックス。名手はその末脚にも冷静だった。「ドウデュース自身もすごい伸びだったから、あまり心配はなかった。自信あったよ」。勝利への道筋は、はっきりと見えていた。

 2月の京都記念以来となる長期休養明け。しかし、武豊は不安視していない。自身の目で確かめてきたからだ。北海道に滞在していた夏の間、放牧先を訪問。「何回か見に行ったよ。すごい元気良さそうだったし、筋肉も落ちてなかった」。栗東に帰厩後も熱い視線を送り続けた。2週前追い切りは乗らなかったが、引き揚げてくる時には騎乗した担当助手に自ら駆け寄って直撃。その直後には「すごいいい体してる。もともとだけど、見るたびにすごい体つき」と賛辞が止まらなかった。

 先週は自ら騎乗し、栗東・CWコースでオープン馬2頭と3頭併せ。直線半ばから瞬時に突き放し、6ハロン81秒1―11秒2で堂々の最先着だった。「相変わらずいい動き。軽くゴーサインを出しただけで一気に反応した」とご満悦。「今日の動きなら特に問題ないですね」と十分な手応えを示した。

 最大の敵イクイノックスには「あのとき(日本ダービー)のドウデュースにああやって迫ってくるのは、すごい馬だなと。その秋も活躍して、やっぱりなと思った。強いよね、隙がない」とリスペクトを惜しまない。しかし、レジェンドはもう一度繰り返した。「でも実際負かしてるから、ダービーで」。挑戦者の立場ではない。胸を張って、真っ向勝負だ。(水納 愛美)

 〈ルメール騎手、イクイノックスのダービー敗戦は「1年半前の話。勝つ自信はあります」〉

 強さを背中で感じ取ってきた。ルメールはイクイノックスの8戦すべてに騎乗。2度2着に敗れているが、その一頭がドウデュースだ。「ダービーでは負けたけど、それは1年半前の話。イクイノックスはすごい大人になりましたし、勝つ自信はあります」とリベンジマッチを心待ちにする。

 今回は美浦で1週前追い切りに騎乗。Wコースでボーデン(5歳3勝クラス)に1馬身半追走から1馬身先着し、5ハロン65秒4(7ハロン93秒7)―11秒8をマークした。「今回はほとんどベスト。心身ともにバランスよく、充実しています」と状態面に太鼓判を押す。

 昨秋は一気にスターホースへの階段を駆け上がった。「去年は天皇賞・秋、有馬記念とすごかった。春から秋ですごい変わった。今年も秋からトップコンディションになると思う。楽しみです」。先週の菊花賞を制した勢いで、まずは連覇へ挑む。

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