【サウジカップ】14億円あぁ…2着のウシュバテソーロ 7歳にして完成形に。海外メディアから「ビースト」と称される

サウジCで2着に入ったウシュバテソーロ(右)(カメラ・高橋 由二)
サウジCで2着に入ったウシュバテソーロ(右)(カメラ・高橋 由二)

◆第5回サウジC・G1(2月24日、キングアブドゥルアジーズ競馬場、ダート1800メートル)

 【リヤド(サウジアラビア)ペン・松末守司、カメラ・高橋由二】世界最高賞金レース、サウジカップ・G1(1着=約14億1400円)は現地時間24日、キングアブドゥルアジーズ競馬場で行われ、日本勢はウシュバテソーロが最先着の2着。賞金350万ドル(約4億9491万850円)を加え、JRA歴代獲得賞金4位に浮上した。

 ウシュバテソーロの勝利が、ゴール寸前でこぼれ落ちた。道中はいつも通り最後方。大きなカーブを回って外に出すと、直線は外からぐいぐいと伸びる。50メートルを切ったところで先頭に躍り出たが、さらに外からセニョールバスカドールが猛追。川田が懸命に手綱をしごき最後の気力を振り絞るも、頭差かわされたところがゴールだった。鞍上は「前の馬も残っていましたし、外から来ているのも分かっていましたが、勝ちきれるように彼とともに精いっぱい頑張りました」と死闘を振り返った。

 力は示した。昨年、先行有利と言われるドバイ・ワールドCを後方から豪快に差し切ったのに続き、世界最高賞金レースでも2着。昨年のBCクラシックで後じんを拝したホワイトアバリオ、デルマソトガケに先着してみせた。

 海外メディアから「ビースト」と称される馬。デビューから大きなけがもなく、近年は「肉体的な治療をしたことがない」と、所有する了徳寺健二ホールディングスの広瀬祥吾副社長。強じんな肉体は「馬はすごく良いので引退させたくないですね」と副社長が話すように、7歳にして完成形になった。

 もともと、春の最大目標はドバイWC(3月30日、メイダン競馬場)の連覇。叩き良化型らしく東京大賞典、サウジCと使われ、上昇カーブを描いてくることは間違いない。高木調教師は「悔しいのひと言。ただ、自分の競馬をすれば通用することを改めて証明できた。次は距離も延びるし、競馬はしやすいと思う」ときっぱり。同じ中東の地で連覇を成し遂げ、雪辱を果たす。

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