今週デビューを迎える新人騎手8人が2月29日、東西トレセンで初々しく意気込みを語った。
あどけない笑顔は緊張で少しこわばりながらも、新たな門出へのワクワクがあふれていた。大江原比呂はデビュー週に中山で所属する美浦・武市厩舎の3頭を含む9頭に騎乗予定。「調教で乗っている馬に乗るので楽しみですね。乗せてくださる方々に感謝の気持ちを忘れずに、大事に乗りたいです」と静かに意気込んだ。
祖父の哲さんは元調教師、父も調教助手で、そのいとこは障害騎手の大江原圭と競馬一家ながら、幼い頃から夢見ていたわけではなかった。「もともと器械体操をやっていて、将来は体操選手になりたかったんです。乗馬を始めるときも両親に『騎手にならないんだったらやってもいいよ』って言われましたし、そもそも女性がなれると思っていませんでした」
楽しい趣味のひとつだった馬乗りを職業として意識したのは、偉大な先駆者の存在があったからだ。「中学生の時に藤田(菜七子)さんが活躍しているのを見て、かっこいいと思いました。それで勝手に美浦の少年団に応募して、親もビックリしていましたね」と、はにかみながら振り返った。
競馬学校を1年留年し4年かけてたどり着いたデビュー。「色々な先生に携わっていただいて卒業ができました。感謝しかないです」と、言葉にも熱がこもる。その恩に報いるためにも結果を残したい。自身の強みを聞かれ「愛馬心です!」とキッパリ。人馬一体で初勝利を狙う。(角田 晨)
◆大江原比呂騎手の騎乗馬
【土曜中山】
1シアワセノランプ
3ココケイ
4ミヤビアストレア
6タイガードラゴン
9クリノキングボス
10ヴェノム
【日曜中山】
5パストラーレ
6ラベンダーマカロン
7ナムラテディー