【中山牝馬S】桜花賞15着、秋華賞18着…過去3度重賞挑戦して全て2ケタ着順のコンクシェルが4度目挑戦で初制覇

コンクシェル(左)が見事な逃げ切りV(カメラ・荒牧 徹)
コンクシェル(左)が見事な逃げ切りV(カメラ・荒牧 徹)

◆第42回中山牝馬S・G3(3月9日、中山競馬場・芝1800メートル=稍重)

 第42回中山牝馬S・G3が9日、中山競馬場で行われ、5番人気のコンクシェルが半馬身差で逃げ切って、重賞4度目の挑戦で初制覇を飾った。

 強風が吹き荒れた中山のターフで岩田望の好判断が光った。気合をつけながら先頭で1コーナーへ飛び込むと、前半1000メートル61秒5の絶妙なラップを刻む。最後まで先頭を譲ることなく、ゴール板を駆け抜けた。これまで桜花賞15着、秋華賞18着など重賞に3度挑戦するも全て2ケタ着順。岩田望は「3歳の夏が逃げて強い勝ち方(1、2勝クラスを連勝)。クラシックでは自分の形に持ち込めていなかったので、前走は思い切った競馬をしようと思っていた」と説明。約1年ぶりの騎乗で2番手から完勝した前走の内容を受けて、今回も自分のリズムで前に行くと決めていた。

 差し馬の台頭が目立っていたこの日の芝の傾向を踏まえ、最後の直線は荒れた内を避けて外に持ち出す好リード。作戦通りの逃亡劇を完遂し、「踏ん張り切ってくれた」と笑顔があふれた。自分の形を確立したコンクシェルが、今後の重賞戦線でも存在感を示す。(浅子 祐貴)

 ◆コンクシェル 父キズナ、母ザナ(父ガリレオ)。栗東・清水久詞厩舎所属の牝4歳。北海道新冠町・株式会社ノースヒルズの生産。通算成績16戦5勝。総獲得賞金は1億678万3000円。重賞初勝利。馬主は前田晋二氏。

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