◆第54回高松宮記念・G1(3月24日、中京・芝1200メートル)
春G1シリーズ開幕戦、第54回高松宮記念は24日、中京・芝1200メートルで行われる。ヤマタケ記者が必中をかけて担当する今週の「考察」は前哨戦編。京都牝馬Sで2着に敗れたナムラクレアの強さに注目した。
今年のステップレースで最もハイレベルだと感じているのは阪急杯とオーシャンSの両トライアル、過去10年で5頭の勝ち馬を出しているシルクロードSではない。京都牝馬Sこそ注目の一戦だ。
前述した各レースのメンバーの重賞勝ち馬、その勝利数(レース前)を算出してみた。
▽阪急杯=2頭(3勝)
▽オーシャンS=5頭(6勝)
▽シルクロードS=4頭(5勝)
▽京都牝馬S=7頭(17勝)
京都牝馬S組が他を圧倒しており、牝馬限定戦も17勝中6勝のみ。相手に恵まれた勝利ではない。
そのなかで“強さ”を感じたのが2着のナムラクレアだ。勝ったソーダズリングが馬群を割るように伸びてきたのに対し、浜中が「あくまで前哨戦のイメージ」と振り返るナムラは勝負どころからその外を回る形。2頭ともに33秒台の上がりを繰り出す瞬発力も必要な競馬でロスがあり、しかもソーダズリングより1キロ重い56キロを背負いながら首差2着なら上出来だ。
もともと、ここは本番からの間隔を逆算しての始動戦。「1400メートルもこなせるけど、ベストは1200メートルです」と浜中が説明するように舞台も好転する。十分に評価できる一戦だ。(山本 武志)