【読売マイラーズC】池江調教師が「中年の星」と絶賛の6歳馬が2年ぶりV 過去2年敗れた安田記念のリベンジへ

1番人気に応えたソウルラッシュ(中)(カメラ・高橋 由二)
1番人気に応えたソウルラッシュ(中)(カメラ・高橋 由二)

◆第55回読売マイラーズC・G2(4月21日、京都・芝1600メートル、稍重)

 第55回読売マイラーズC・G2(京都)はソウルラッシュ(団野)が、落馬負傷による鞍上乗り替わりもはねのけ2年ぶり2度目の制覇。安田記念(6月2日、東京)でのG1奪取へ好発進した。

 初コンタクトにも全く動じなかった。団野とソウルラッシュのコンビが決まったのは松山の落馬事故が起きた前日。それから過去のVTRを見返し、イメージを膨らませた。「馬場よりも、この馬のリズムで競馬をすれば結果はついてくる」。中団追走から迎えた直線。強い自信を胸に追い出した。右ステッキを入れ、左腕で手綱を押すと、雨を切り裂くような力強い加速は増していくばかり。馬場の真ん中を堂々と駆け抜け、2着に1馬身3/4差。貫禄の勝利だった。

 見事な代打騎乗だったが、団野に笑顔はなかった。「松山さんの容体が心配ですし、その他にも事故を起こされた方がいるので大丈夫なのかなという思いが強いです」。2週前の藤岡康太さんの悲報や、今週も数多く起こった落馬事故。厳しい精神状態の中で集中力の糸をつなぎ止め、最良の結果へと導いた。

 池江調教師はすべてを託していた。「よく馬のことを研究している騎手ですから、細かいことは言っていません」。これで重賞3勝目。今年で6歳の愛馬に「体形は中年オヤジみたいだけどね」と口にする。確かに重賞初制覇だった一昨年のこのレースから馬体重は12キロ増。しかし、この日の圧巻のパフォーマンスに「中年の星だね。(中間の)攻め馬もキレキレだった」とうなずいた。次走は悲願のG1初制覇がかかる安田記念。過去2年(22年〈13〉着、23年〈9〉着)のリベンジへ、中年の星はさらに輝きを増していく。(山本 武志)

 ◆ソウルラッシュ 父ルーラーシップ、母エターナルブーケ(父マンハッタンカフェ)。栗東・池江泰寿厩舎所属の牡6歳。北海道日高町・下河辺牧場の生産。通算成績は19戦7勝(うち海外1戦0勝)。総獲得賞金は3億8484万500円(うち海外3247万2500円)。主な勝ち鞍は22年読売マイラーズC・G2、23年京成杯オータムH・G3。馬主は石川達絵氏。

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