◆第29回ユニコーンS・G3(4月27日、京都・ダート1900メートル、良)
2段ロケットのような加速だった。向こう正面で勢いがついたラムジェットは、4角では4番手の外。直線を向くと、エンジンを再点火させた。上がり3ハロン最速37秒6の末脚で、2着馬に2馬身半差をつけての重賞初制覇。追い通しだった三浦は「手応えは安心できるものではなかったですが、この強さですからね」とパートナーのスタミナをたたえ、気持ちよさそうに汗をぬぐった。
メンバー唯一の3勝馬と実績は最上位も、3番人気の“低評価”。周囲が不安視した距離延長、右回り、初のコーナー4つという課題を全てクリアしてみせた。ケンタッキーダービーの優先出走権争いはポイント2位。出走できなかった悔しさを見事に晴らした。
次なる目標は当然、今年からJRA勢に解放された東京ダービーとなる。「めっちゃ強かった。次も皇成で。(コンビを組み)3戦3勝と手が合っているからね」と佐々木調教師は笑顔で鞍上とがっちり握手。三浦は「ダート界を引っ張っていく馬。毎回結果を出すのが、僕にできること」と力を込めた。ダート改革元年の象徴として、堂々と大井に乗り込む。(山下 優)
◆ラムジェット 父マジェスティックウォリアー、母ネフェルティティ(父ゴールドアリュール)。栗東・佐々木晶三厩舎所属の牡3歳。北海道新冠町・株式会社ノースヒルズの生産。通算成績は6戦4勝。重賞初制覇。総獲得賞金は7771万2000円。馬主は前田幸治氏。