ケンタッキーダービーでフォーエバーヤング(牡3歳、栗東・矢作厩舎、父リアルスティール)が惜しくも3着に敗れたが、日本勢初快挙まであと一歩まで迫った。レースを現地で観戦した同馬の藤田晋オーナーを、海外競馬に精通するフリーライターの土屋真光氏が直撃した。
ケンタッキーダービー出走馬関係者だけが座ることができるボックス席で、藤田晋オーナーはゴールから数分がたっても、一人で立ち尽くしていた。
「…すごい馬だなあ、と思います」
やっと出せたひと言目。悔しさと、すごいレースを見たという思いが混ざり合っているのが表情から伝わる。「最初、スタートがよくなく、厳しい形になってしまったなあと思っていたんですが、直線に入るところでいいところにいたので、ひょっとしてと思って、もう夢中でした」
自身は前日夜に決戦の地に入った。「疲れてるはずなんですけど、アドレナリンが出ちゃって、すっかり吹き飛びました(笑い)」
直線は一歩ごとに前に詰め寄り、シエラレオーネ(牡3歳、C・ブラウン厩舎、父ガンランナー)と何度も馬体を接触しながらもひるむこと無く走りきり、1着のミスティックダン(牡3歳、K・マクピーク厩舎、父ゴールデンセンツ)との差は鼻差プラス鼻差ぐらいの接戦だった。「“2ハナ”ぐらいですよね…。ここまで来たら勝ちたかったですけど、でも、これで(攻略が)見えました」
今後については「ここまで大変な旅を頑張ってくれたので、帰国して、一旦休ませます」と話した。