6月9日の東京4R・3歳未勝利(芝2400メートル)で、ルーキーの大江原比呂騎手=美浦・武市康男厩舎=が、ズイウンゴサイで1着となり、3月2日のデビューから89戦目で待望のJRA初勝利。祖父は元騎手、元調教師の大江原哲さんで、父は蛯名正厩舎の大江原勝助手。親戚には大江原圭騎手がいるという競馬一家で育ち、JRAでは現役7人目の女性騎手として今年デビューした。セレモニーではJRA現役最年長の柴田善臣騎手(57)がプラカードを持つなど、騎手仲間から祝福された。
道中は9番手。直線は激しく追い出すと愛馬もそれに応えるようにグイグイと伸びる。最後は1番人気のダノンロッキーを首差退け、真っ先にゴールに飛び込んだ。大江原比は「長く乗せてもらっている馬で勝つことができてうれしく思います。また、お世話になっている武市康男先生の管理馬で勝つことができて良かったです。少し乗り難しいところはありますが、日頃から助手さんが丁寧に仕上げてくれたおかげで、馬も徐々にレースをしやすい馬になってくれていたので自信を持って乗ることができました。自分でも勝ったのか、勝っていないのか分からない状況で着順掲示板の表示が出た時はうれしかったです。最後は頑張ってくれという気持ちで乗っていました。これからも乗せていただく1頭1頭を丁寧に乗って、少しでも勝ち鞍を挙げられるように頑張ります」とさらなる飛躍を心に誓っていた。
勝利を見守った祖父の哲さんは「声は出さないと思っていたけど、声が出ましたね。競馬の社会にいなくても、おじいちゃんならうれしいと思う。1つ勝てば少し余裕が出るかな。次にいける安心感があるから」と優しいまなざしで孫を見守った。