JRAが確認できる範囲で最長 来年2月末まで9か月の騎乗停止となった水沼元輝騎手が師匠と謝罪会見 

会見で頭を下げる水沼元輝騎手(右、左は師匠の加藤和宏調教師)(カメラ・荒牧 徹)
会見で頭を下げる水沼元輝騎手(右、左は師匠の加藤和宏調教師)(カメラ・荒牧 徹)

 JRAは7月10日、水沼元輝騎手=(21)美浦・加藤和宏厩舎=を2024年5月31日から2025年2月28日まで9か月間の騎乗停止にすると発表した。9か月の騎乗停止期間は、JRAがさかのぼって確認・特定できる範囲では最も重い処分となった。

 水沼騎手は5月24日から26日にわたって、美浦トレセンおよび東京競馬場の調整ルーム居室内で通信機器(スマートフォン)を不適切に使用していたことが判明したと、JRAが同月31日に発表。専用ロッカー内にスマホのケースのみを預けて東京へと移動。飲食店への予約電話やインターネット通信、TikTokの閲覧をJRAが確認した。競馬の公正確保に関する業務上の注意義務を怠ったとして、裁定委員会の議定があるまで騎乗停止処分としており、裁決委員からは「ケースのみを預けるという偽装工作を行っていた。悪質性が高い」という声が上がり、厳しい処分が下される可能性が浮上していた。

 処分発表後に師匠の加藤和調教師とともに会見を行った水沼騎手は「自分の行動によって関係者やファンの皆様、多くの方に迷惑と信頼を失う行為をしてしまったと反省しております」と謝罪。9か月間、自身の行動と考えを見つめ直す決意を語った。

 昨年5月には同じく通信機器を使用したとしてデビュー3年目までの若手6騎手が30日間の騎乗停止処分を受ける異例の事態となっていた。加藤和調教師も関係者への謝罪を述べたあとに「前回(騎手6名が処分を受けた際)にもっと私が強く言っておけばこのようなことはなかった。私も師匠の二本柳調教師に見守られて今、この場にいられる。師匠と弟子は親子のようなもので、水沼も自分の子供のように育ててきたつもり。まだ若いので歯を食いしばって努力して頑張ってほしい」と反省を促しつつ、これからも見守っていくことを唇を震わせながら口にした。

 最後に水沼騎手は「学校生の頃から先生には迷惑をかけている。こういう状況でもクビにされることなく、厳しい言葉とともに前向きな言葉もいただいた。今後は、この恩をあだで返すことなく行動していきたい。できることならしっかり復帰したい。くじけずに頑張っていきたい」と加藤和調教師とともに深く頭を下げた。

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