【エルムS】永野猛蔵騎手と人馬重賞初制覇へ、力みないナチュラルな動き 鞍上も「しっかりと手前を替えて楽に動けていた」

ナチュラルハイ(左)は力みのない動きで万全の仕上がり(カメラ・坂本 達洋)
ナチュラルハイ(左)は力みのない動きで万全の仕上がり(カメラ・坂本 達洋)

◆エルムS追い切り(7月31日・札幌競馬場)

 ダート2重賞の追い切りが31日、行われた。歴戦の古馬が集まった第29回エルムS・G3(4日、札幌)で重賞初勝利を目指すナチュラルハイは、永野猛蔵騎手(21)=美浦・伊藤圭厩舎=が札幌のダートコースで感触を確かめて「楽に動けていた」と高評価だ。

 落ち着いた雰囲気とスムーズな加速が目を引いた。前走のマリーンSから勢いに乗って連勝を狙うナチュラルハイは、札幌のダートコースで外レイフロレット(3歳未勝利)を2馬身追走する形からスタート。ぴったりとマークしながら6ハロン85秒2―12秒4のラップを刻み、馬なりのまま併入した。手綱を執った永野は「変に力まず、直線もしっかりと手前を替えて楽に動けていた。いい追い切りができました」と太鼓判を押した。

 待望のオープン初勝利を挙げた前走のマリーンSの後は、札幌入りして順調に調整。中間は付きっきりで調教をつけている鞍上は「どうしても硬くなりやすい馬で、自分でバランスを整える意味合いでやらせてもらっています。毎日乗っている方が変化が分かります」ときっぱり。負荷をかける微妙なさじ加減を熟知したうえで、固い絆も紡いできたのは大きい。

 永野にとって前走は自身初のオープンVであり、デビュー4年目でのJRA100勝目だった。22年7月の福島で新馬勝ちに導いた当時から着実に成長を感じ取り、「最初は芝でしたが、ダートという感じはしていました。『ダートで控える競馬を覚えさせたらいいのでは』と先生(黒岩調教師)に伝えたら受け入れてくださって、思い入れのある馬」と感慨深い。

 人馬ともに重賞初制覇がかかる一戦へ、気持ちは高ぶる。「強そうなメンバーですが、この馬自身も力をつけている。いい結果を出せるように頑張りたい」と29回目の重賞挑戦となる鞍上は、最高の瞬間を待ちわびている。(坂本 達洋)

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