◆第44回新潟2歳S・G3(8月25日、新潟競馬場、芝1600メートル)
コートアリシアン(牝2歳、美浦・伊藤大士厩舎、父サートゥルナーリア)は、6月8日の新馬戦(東京・芝1600メートル)を5馬身差で圧勝。新種牡馬の父にJRA産駒初勝利をプレゼントしたことで話題になったが、その勝ち方もインパクトがあった。
スタートこそ出遅れたが、直線で外に持ち出されると、首位争いを繰り広げる先行馬たちを横目に、脚色の違いは歴然。あっさりと突き抜けて見せた。それに加えて時計面でも強調できる材料が並ぶ。今年、東京1600メートルで行われた2歳戦6鞍の中で、1分35秒1は最速。さらに距離を問わず東京芝(全11鞍)の上がり3ハロンで33秒3は2位タイ。同1位の33秒2をマークしたエンブロイダリーは、次走の2歳未勝利戦(新潟・芝1800メートル)でレコードタイムを叩き出し7馬身差で楽勝した。コートアリシアンも、かなりの素質を秘めていると判断できる。
14日の1週前追い切りでもレース同様に牝馬らしい抜群の切れ味を披露。時計は計測できなかったが、直線ではスムーズに右手前へ替え、僚馬を並ぶ間もなく抜き去った。
母はデビュー2連勝したコートシャルマン。姉2頭はデビューが遅れたが、本馬は早めに始動できたように母から仕上がりの早さを受け継ぐ。初戦のパドックでイレ込みが目立っていただけに、当日の落ち着きがカギになるが、自身のパフォーマンスさえ発揮できれば、十分に初タイトルを狙える。(浅子 祐貴)