サマーセールが6日間開催となったのは、03年以来21年ぶり。03年は、月曜から水曜までの3日間を2週に分けて開催したので、1週間を通して行うスタイルは初めての試みだった。24日はJRA開催日で、札幌競馬も行われていることもあり、比較展示の時の場内の様子は閑散としていた。主催者も心配の声を上げていたが、蓋を開けてみれば最も売却率が高い88・30%を記録した。また、この日の売却額は11億6490万円(金額はすべて税別)と、6日間の中で23日の11億7560万円に次いで2番目に活況だった。初日を除くと、売却率は8割を超える日が続いたが、昨年までと違って午後6時にはセリが終了し、購買関係者がゆとりを持って行動できるスタイルは、非常に好評だった。
6日間トータルでは、売却総額が64億8600万円、売却率は82・31%を記録。昨年より上場頭数が181頭も減ったので、前年比で10億2250万円減だったが、売却率はサマーセール史上初の8割超えとなった。最高額は、最終日に上場されたレディマドンナ2023(牝、父ヘニーヒューズ)の4800万円で、江馬由将氏が落札した。レディマドンナ2023は、母が3歳3月のデビューで未勝利と1勝クラスを連勝し、2勝クラスでも連対実績があった。3代母のリブライドルドドリームズから、名立たるアメリカの名馬が連なるファミリーであるとともに、半兄のナチュラルライズが7月20日札幌5Rの新馬で6馬身差の圧勝を演じたことから、前評判は非常に高かった。
日高軽種馬農業協同組合の古川雅且組合長は「昨年までのように、午後7時過ぎにセリが終わるようなことはないよう、1日の上限を250頭と決めました。できれば5日間に収めたかったんですが、申込頭数を考えると、今回は6日間開催にせざるを得ませんでした。それでも、良質馬が揃っていたことはありますが、最終日に最も売却率が高かったことは、正直驚きました」と、セールを振り返った。
最終日は場内の人が少なかったように感じたが、かといってオンラインでの応札は決して多かった訳ではない。オンラインのログイン状況は6日間を通してさほど変化はなく、オンラインでの応札は、2日目の118頭が最も多く、最終日は101、5日目が100、3日目が91と続く。オンラインを活用したハイブリッド方式は定着しているとはいえ、今回の結果を考えると、やはり会場に来て馬をチェックする方々の本気度を感じた。
今回の6日間開催は、一応の数字は出たものの、サマーセール自体は5日間に収める考えは変わらない。来年以降、予定通りのセリ開催を行うためにも、セプテンバーセールも活況であることが望ましい。セプテンバーセールは、9月17日~19日までの3日間、北海道市場で開催される。(競馬ライター)