◆第58回スプリンターズS・G1(9月29日、中山競馬場・芝1200メートル)
スプリント重賞4勝のトウシンマカオ(牡5歳、美浦・高柳瑞樹厩舎、父ビッグアーサー)にとって待ちに待ったG1の舞台といえる。
国内で芝のスプリントG1といえば高松宮記念(中京)と今回のスプリンターズSしかない。昨年の同レースは発熱で無念の回避。以前から高柳瑞調教師は「左回りは得意ではない」と話しており、右回りのここが条件としては絶好になる。G1ともなれば当然、他陣営も懸ける思いは強いが、トウシンマカオ陣営にとっての“狙い”は間違いなくスプリンターズSだろう。
5歳になって本格化も感じられる。馬体重の増加に加えて、馬体も見るからにボリュームアップ。短距離馬らしくなったシルエットからもスプリンターとして完成の域に達してきた印象を受ける。それに加えて前走のセントウルS(中京)は、得意ではない左回りを克服しての勝利。1週前追い切りの段階で「緩さが残るし、まだ重いかも」と指揮官、鞍上ともにジャッジしていたことからも、上積みの余地は大いに残しているはずだ。
舞台は中山の最終週。差しが利く馬場になれば、悲願のG1タイトルが見えてくる。(浅子 祐貴)