【スプリンターズS】“5億円馬”が日本でもオオバンブルマイ狙う 前走ラスト33秒2の豪脚に武豊騎手「メチャクチャ切れたね」

ともに馬場入りするオオバンブルマイ(左)とエイシンスポッター(カメラ・高橋 由二)
ともに馬場入りするオオバンブルマイ(左)とエイシンスポッター(カメラ・高橋 由二)

◆第58回スプリンターズS・G1(9月29日、中山競馬場・芝1200メートル)

 秋のG1シリーズ開幕戦・第58回スプリンターズS(29日、中山)で、“5億円馬”オオバンブルマイがスプリントG1に初挑戦。前走のキーンランドCは上がり33秒2の末脚を披露し、武豊騎手(55)=栗東・フリー=も一発に期待を寄せる。

 昨年11月のゴールデンイーグル(豪ローズヒルガーデンズ競馬場・芝1500メートル)を勝ち、1着賞金約5億円を獲得したオオバンブルマイが、日本でも「大盤振る舞い」を狙っている。前走のキーンランドCは、初の1200メートル戦で3着に追い込んだ。

 武豊「自分から夢中になって走るタイプではないし、前半ついていけないやろうなと思った。その通りだったけど、おしまいにかける競馬をしたら、すごい脚を使ってくれたね」

 上がり3ハロンは33秒2。札幌の芝1200メートルで33秒2以内を使って馬券圏内に来た馬は、データが残る80年以降初めてだ。

 武豊「直線が短いから厳しいレースになったけど、メチャクチャ切れたね。ちょっと(間隔が)空いてたし、初めての小回り1200メートルであれだけのレースができたからね。札幌で外回ってあの上がりは、なかなかすごいよ。想像以上だった」

 19日の1週前追い切りは、栗東・坂路でヴィアダクト(3歳1勝クラス)を3馬身追走し、52秒0―11秒9で4馬身先着。上積みを感じ取る。

 武豊「いい動きだったね。休み明けを1回使って、前回より素軽い」

 中山に替わって直線は40メートル強、長くなる。ゴール前には急坂もあり、追い込み馬にとっては舞台好転といえる。

 武豊「1200メートルは2回目だし、戸惑いは少しはましかな。直線の長さはそんなに変わらないけど、中山の形はいいんじゃないかな。タイムが速くなるのは厳しいかもしれないし、相手は強くなるけど楽しみだね」

 自身は90年バンブーメモリー、02年ビリーヴに続くスプリンターズS3勝目を目指す。

 武豊「潜在能力、スプリント能力を感じている馬。3歳の時より体がしっかりしてきた。前に馬がいっぱいいる状況になるから、うまくさばけたり、振り回されなきゃチャンスはある」

 スプリンターズSの1着賞金は1億7000万円。レジェンドとともに、一発を狙いに行く。(玉木 宏征)

<吉村調教師「上積みはあると思います」>

 ○…オオバンブルマイはこの日、栗東・坂路を65秒7―15秒1で駆け、翌日の最終追いに備えた。吉村調教師は「体に張りが出て、上積みはあると思います。中山にも1回、滞在してますからね」と昨秋の豪州遠征前に検疫で入厩したエピソードを持ち出し、期待を寄せた。

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