【スプリンターズS】「ウイン軍団」2頭が勝負ローテで本番へ 03年NHKマイルC・ウインクリューガー以来21年ぶり国内G1制覇狙う

春から本番へ直行のウインマーベル
春から本番へ直行のウインマーベル
余裕を持ったローテで挑むウイングレイテスト
余裕を持ったローテで挑むウイングレイテスト

◆第58回スプリンターズS・G1(9月29日、中山競馬場・芝1200メートル)

 秋のG1シリーズ開幕戦・第58回スプリンターズS(29日、中山)で、「ウイン」所有の2頭、ウインマーベルとウイングレイテストは勝負ローテで大舞台へ向かう。   

<ウインマーベルは過去2年参戦キーンランドCパス>

 一昨年の2着馬ウインマーベルは「勝負ローテ」で悲願をたぐり寄せる。

 参戦は3年連続(2、6着)。過去2回はともに前哨戦にキーンランドCを使ったが、今年は京王杯スプリングC勝利後、迷わず放牧に出し、ここ一本に目標を定めた。深山調教師は「前走の疲れが抜けきらなかったこととキーンランドCは毎年、馬場が悪くなるし、暑いから」と意図を説明。余力を残してビッグタイトルを奪取する。三度目の正直へ、変化を求めた。

 思惑通りに上昇してきた。最終追い切り前日の24日は、美浦の角馬場で感触を確かめるとダートコースへ。テンから推進力あふれる走りで軽快に周回し、状態の良さをアピールした。トレーナーも「順調にきています。調教の動きを見る限りでは本番で力を出せる状態」と確かな手応えをつかむ。勝てば「ウイン」所有馬の国内G1制覇はウインクリューガー(03年NHKマイルC)以来21年ぶり。勝負手を打ち、大きな夢をつかみにいく。

<ウイングレイテストは夏マイル王パス 調整優先>

 ウインの二本目の矢、7歳馬ウイングレイテストも大舞台に照準を定め、好気配を示している。

 59キロを背負った今夏の2戦は、函館スプリントS、アイビスサマーDでともに2着と善戦。サマースプリント王のチャンスも残していたが、大舞台で最高の状態に仕上げるため、早くからここに目標を切り替えて調整してきた。畠山調教師は「G1を考えるとタイトな日程になる。余裕を持って使いたかった」と思いを吐露する。

 もともと、集中力に課題があったものの、短距離にシフトしたことと、昨年9月の京成杯オータムH(2着)から着けるブリンカーの効果で最後まで気を抜かず走り切り、近走の安定感につなげている。トレーナーも「最近は堅実に走れているからね。メンバーは一気に強くなるけど上位争いをできるチャンスはあると思います」と前向き。古豪が、波乱を演出する態勢は整っている。

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