今年から大幅な路線改革が行われた3歳ダート3冠。その最終戦を飾る第26回ジャパンダートクラシック・Jpn1は10月2日、大井競馬場の2000メートルを舞台に行われる。サントノーレが地元の大将格として、超強力メンバーを送り込むJRA勢を迎え撃つ。春の2冠は出走ならなかったが、JRA所属相手に圧勝して全国のファンを驚かせた京浜盃の再現を狙う。枠順はきょう29日に決まる。
京浜盃の再現だ
地元の大井ではサントノーレに最も大きな注目が集まる。門別でデビューし、2歳時には川崎に遠征して鎌倉記念を制し、全日本2歳優駿・Jpn1で3着。早い時期から一目置かれる存在ではあったが、真の素質が開花したのは、年が明けて大井に移籍した3歳時から。
初戦の雲取賞・Jpn3こそ3着だったが、続く京浜盃・Jpn2が圧巻のレース。3、4番手から直線でエンジンに点火すると、一気に脚を伸ばして、ぶっちぎりの7馬身差V。JRA所属馬を蹴散らし、全国のファンに驚きを与えた。
これでダートクラシックの主役候補の一頭に躍り出たかにみえたが、直後に右前肢の膝を骨折したことが判明。羽田盃、東京ダービーへの参戦は不可能となった。京浜盃で2着だったアンモシエラが羽田盃2着に、東京ダービー3着。もし無事ならば…と思わずにいられない、無念の戦線離脱だったが、「成長を促すうえでは良かった」と荒山勝調教師は夏をまるまる休養に充てたことを前向きにとらえている。
復帰戦となった戸塚記念・S1は、早め先頭から6馬身差の勝利。初コンビの笹川翼が「エンジンがすごいし、馬力もある」とべた褒めする圧倒的パフォーマンスを披露した。トレーナーも「休み明けで、目いっぱいの仕上げをするには時間がなかった。それでも強い競馬をしてくれた」と評価し、その後も「脚元は大丈夫。使ってピリッとしたし、馬体も引き締まってきた。イメージ通りにきている」と順調ぶりをアピールする。
ここ2戦で見せた強さは本物で、仕上がり途上だった前走からの状態アップは間違いなし。無念のリタイアだった春のリベンジなるか注目だ。
シンメデージー成長に手応え
デビュー6連勝で挑んだ東京ダービーで4着に入った高知所属馬。手綱を執った吉原寛は「自分の競馬をしての地方馬最先着は自信につながった」と話す。
秋初戦には西日本3歳優駿(金沢)を選択。3コーナーで先頭に立つと、ぐんぐん後続を突き放すワンサイドゲームで、2着に2秒2差をつける大差勝ちだった。吉原は「前走は遠征でも堂々としていたし、幅が出てトモ(後肢)も良くなっていた」と成長に手応えを感じた様子。2度目となるJRA所属馬との対戦で、さらなる躍進を狙っている。
◆サントノーレ 父エピカリス、母リンガスウーノ(父サウスヴィグラス)。大井競馬場小林分場・荒山勝徳厩舎所属の牡3歳。北海道新冠町・松浦牧場の生産。通算9戦5勝。総獲得賞金は9195万円。主な勝ち鞍は鎌倉記念・S2(23年)、京浜盃・Jpn2、戸塚記念・S1(24年)。馬主は(株)ラ・メール。