◆第72回府中牝馬S・G2(10月14日、東京競馬場・芝1800メートル)
今年のヴィクトリアマイルで2着に好走して、前走の安田記念は7着に敗れたフィアスプライド(牝6歳、美浦・国枝栄厩舎、父ディープインパクト)は、牝馬限定重賞なら実力上位で巻き返し必至だ。
前走は好位3番手から積極的に位置を取りに行き、直線の残り200メートル付近では先頭争いを繰り広げるなど見せ場十分だったが、惜しくもゴール前で失速。国枝調教師が「坂井(瑠星騎手)君は悔いのない感じでいってくれて、しまいまで頑張ってくれたので、競馬としては納得のいくものだった」と、悲観していないことからも内容は悪くなかった。
今年で6歳を迎えたが、昨秋のターコイズSで重賞初制覇を果たしてからの充実ぶりは評価していい。国枝師は「ターコイズSを勝って、馬の方もずいぶんメンタルの部分で落ち着いて、体もしっかりしてきた」と心身両面の成長を認める。ひと夏を越してこの中間も、美浦・Wコースで切れのある動きを見せているのは頼もしい限り。担当の中村助手が「相変わらず迫力はありますよ。気持ちも入っています」と語るように、衰えへの心配は皆無だ。
強力なライバルは昨秋のエリザベス女王杯V以来の久々となるブレイディヴェーグだが、実戦勘も含めて不安は残る。あとはヴィクトリアマイルで先着しているマスクトディーヴァ(同レース3着)くらいが骨っぽい相手で、ここなら自信を持って中心に推したい。(坂本 達洋)