◆秋華賞追い切り(9日・栗東トレセン)
率直な感想は「悪くはないけど…」だ。桜花賞馬ステレンボッシュの最終追い切りは、栗東・CWコースで3頭併せ。僚馬モスクロッサー(3歳1勝クラス)と、同じく秋華賞に出走するミアネーロの間からスタートした。序盤はのびのびと追走。直線にかけて、じわりじわりと勢いは増した。
時計は6ハロン81秒3―11秒4と申し分なかったが、ラスト1ハロンの推進力がいまひとつに映った。戸崎が促せば反応はしたが、どこか鋭さが物足りない印象だ。「僕からスイッチを入れた。(反応は)良かったけど、もう一つ良くなるんじゃないかという感じもあった」と鞍上。国枝調教師も「もう少し、しまいガッチリ来られるかなと思った」と振り返っていた。
ただ、その1点以外は順調だ。オークス以来でまたがった戸崎は「もともと素軽い動きはしていたけど、そのなかに力強さが出てきた」と成長を評価。もともと精神面で手がかかる馬ではないが、力みのない身のこなしからも、落ち着きが伝わった。国枝師も「カイバ食いや他の部分は、何の心配もない」と太鼓判を押す。
オークスは半馬身差の2着で、惜しくも2冠ならず。しかし直線で一度先頭に立つなど、悲観する内容ではなかった。デビューから全6戦で連対という優等生。最終追いだけで評価を下げることはできない。「今日で変わってくれると思っている。強い気持ちで騎乗したい」と戸崎。本番までどう変化するか、注目したい。(水納 愛美)