今年最後の1歳市場となるオータムセールが、10月15日と16日の2日間、新ひだか町静内の北海道市場で開催されている。初日は、これまでの1歳市場に上場されていない、いわゆる新規申込馬が上場された。馬の成長に合わせ、時期を待った形での上場で、遅生まれの馬が目立った。
比較展示の時は気温が上がり、半袖の関係者もチラホラ見えたが、夕刻になると一気に気温が下がり、ジャンパーを着る人ばかり。寒暖差が激しいのも、この時期の北海道らしい特徴と言える。これまでの1歳市場が好況だが、まだ購入したい層は多く、特に岩手県馬主会は、オータムセールを補助馬購買の対象にしており、初日は7頭を落札している。
188頭が上場され、162頭が落札。売却総額は5億9970万円(金額は税別、前年初日対比2060万円減)、売却率は86・17%(同比7・49%増)だった。売却率は上がったものの、平均価格が約30万円減だった影響もあり、売却総額は伸びなかった印象を受ける。この日の最高価格は、ピースバーグ2023(牝、父ナダル)の1400万円で、アールユニコーンステーブルが落札した。母のピースバーグは、13年サンドリンガム賞(仏G2)と12年オマール賞(仏G3)を制しており、14年は英G1のファルマスSで3着に健闘している。欧州重賞ウィナーに、アメリカで無敗のG1ウィナーであるナダルとのカップリングに、購買者の関心は高かった。特にナダルは15頭(中央11頭、地方4頭)が勝ち上がっており、ファーストシーズンサイアー総合ランキングで、首位のモズアスコットと約160万円差の2位につけている。産駒の活躍が後押しし、高額取引となった。また、牡馬の最高価格はスイートスズラン2023(牡、父コパノリッキー)の1250万円で、岩手県馬主会猪熊広次氏が落札した。スイートスズラン2023は、半兄に南関東と岩手で重賞6勝のフレッチャビアンカや、天草特別など中央3勝のヒロノシュンなどがいる。全体でも2番目の高額取引馬だった。
オータムセールは、16日に1歳市場で主取及び欠場になった馬(再申込馬)が上場される。(競馬ライター)