◆第85回菊花賞・G1(10月20日、京都競馬場・芝3000メートル、良)
逆境のなかで最後にダービー馬の意地を見せた。ダノンデサイルは最後の直線で後方4番手から懸命に脚を伸ばす。ゴール前で何とか上位争いには加わったが、勝ったアーバンシックははるか前。日本ダービーからの直行で2冠を狙った一戦は6着に終わった。
横山典は「かわいそうだった。誰かが悪いわけじゃない。仕方ない。最後はよく伸びてくれた」と真っすぐ前を向き、敗戦を受け止めた。発馬直後に内ラチ沿いの好位を確保。しかし、出入りの激しい競馬に巻き込まれ、徐々にポジションが下がっていく。窮屈な形を強いられ、5か月前に府中で見せたような本来の輝きを放てなかった。
今回の臨戦は将来性を考えたうえでの選択。当然、ここがゴールではない。「最悪の流れのなかでよく頑張っている。これも競馬」と横山典。今後は未定だが、敗戦を糧にしてダービー馬は進化を遂げ、再び大舞台に戻ってくる。(山本 武志)