◆第49回エリザベス女王杯・G1(11月10日、京都競馬場・芝2200メートル)
第49回エリザベス女王杯・G1(10日、京都)は、メンバー唯一の3歳馬で皐月賞、日本ダービーにも挑んだレガレイラが、年長馬相手に女王の座を狙う。自身の連覇が懸かるルメールがその末脚を高く評価する逸材だ。
計り知れない力を秘めながら、歯がゆい結果が続いている。レガレイラは単勝1・7倍に推された前走のローズSで大外枠から痛恨の出遅れ。最後は上がり3ハロン最速となる33秒1の脚で追い込むも、5着に敗れた。太田助手は「前半のロスを取り返せないまま、競馬が終わってしまいました」と渋い顔。昨年末のホープフルS制覇以降、皐月賞、日本ダービーの大舞台でも人気を集めたが、ともに後方からの競馬になり結果を残せていない。
だが、ローズSの戦前にあまたの名馬を知るルメールが「最後の瞬発力はすごい」と評したように、デビューから6戦すべて上がり最速の末脚は現役トップクラス。ダービーでは、直線で同じ位置にいたのちの菊花賞馬アーバンシックをコンマ3秒上回る猛烈な伸びを見せた。ローズSでも上がり2位につけた差は0秒4。レース前に「暑さがこたえて、ぎりぎり間に合った」と太田助手が語ったように本調子ではないなかでも、エンジンの違いを示す結果となった。
今回の中間は短期放牧に出され、10月18日に帰厩。「牧場からいい状態で帰してもらい、踏み込んだ調整ができている」(同助手)との言葉通り、1週前追い切りでは美浦・Wコースを7ハロンの長め追いで抜群の動きを見せた。馬なりでリニアモーターカーのように鋭く加速し、2馬身あまり追走した3勝クラスの僚馬に内から併入。「エネルギーを持ったままゴールしたので、休み明けの前回よりいい状態で臨めそうです」と、同助手の目には自信の光が宿る。
課題のスタートも「(前走は)春に比べたら2、3歩目の出方は良くなっているように見えた」と、徐々に改善傾向。直線の長い京都外回りは先行有利の中京と違い、多少の遅れなら大きなロスにならない。今回のメンバーなら地力は間違いなくトップ。今秋も秋華賞をチェルヴィニア、菊花賞をアーバンシックでぶち抜くなど好調な名手も「一番の目標はG1ですからね」と照準を合わせている。前走までの悔しさをバネに、頂点へ飛躍する。(角田 晨)