【こちら日高支局です・古谷剛彦】ビッグレッドファームでウインブライト産駒公開調教 松岡正海騎手も好感触

一番時計をマークしたコスモグッドラック(右)
一番時計をマークしたコスモグッドラック(右)
展示されたダノンザキッド
展示されたダノンザキッド

 種牡馬展示会レポートは、今回が最終回。2月14日にビッグレッドファームで展示会が開催され、6頭がお披露目された。新種牡馬であるダノンザキッドは、20年に東京スポーツ杯2歳S・G3とホープフルS・G1を優勝し、JRA賞最優秀2歳牡馬に輝いた。その後、22年のマイルCSと香港Cで連続2着や、23年大阪杯3着など、マイルから中距離のビッグレースで上位争いを繰り広げていた。マスターフェンサーに次ぐジャスタウェイの後継種牡馬として、ハーツクライの父系を担う。種付料は50万円(受胎条件)。

 ビッグレッドファームは生産、育成、種牡馬事業を行う総合牧場であり、他のスタリオンとは異なる展示会を催すことでも知られる。種牡馬展示が始まるまでの時間には、初年度産駒が1歳となったベンバトル産駒のうち、4頭が展示された。そのなかでシャマルの半弟にあたる母ネイティヴコードは、多くの関係者の目を引いた。さらに、種牡馬展示会後は、屋根付き坂路へ移動し、デビューを控えるウインブライトの初年度産駒の2歳馬6頭が、3歳以上の馬と併せる公開調教を行った。

 ビッグレッドファーム明和の坂路は、全長1100メートルあり、2歳2月の段階で4ハロンを55秒で駆けあがれば優秀とされる。6頭中2頭は53秒台、3頭が54秒台をマークし、仕上がりの早さをアピールした。一番時計はコスモグッドラック(牡2歳、母ホクトグレイン)の4ハロン53秒2-1ハロン12秒8。22年菊花賞に出走したマイネルトルファン(牡5歳、美浦・高木登厩舎)の内に併せて食い下がった走りは圧巻だった。また、母ウインアルテミス(牡2歳、美浦・畠山吉宏厩舎)には松岡正海騎手が騎乗し、3勝クラスのマイネルマーティン(牡6歳、美浦・菊沢隆徳厩舎)に半馬身先着。4ハロン53秒4-1ハロン13秒0の2番時計を叩き出した。

 松岡騎手は「展示会の3週間ほど前に、ウインブライト産駒を何頭か乗せていただいたなかで、一番動く馬だと感じていました。多くの人がいるなかで物見をし、外に張る仕草を見せたりもしましたが、普段の場所(コスモヴューファームで育成)とは異なることを考えれば、自分の能力をしっかり出せた点は強調できると思います。ウインブライト自身は3歳ぐらいまでは完成するのに時間を要す感じがありましたが、この馬は仕上がり早で父と違った一面がありますね」と、母ウインアルテミスの動きを振り返った。

 そして、ウインブライト産駒の特徴について伺うと「ウインブライト自身はフットワークが素晴らしく、何より頭の良い馬でした。まだ2歳なので、気性面などは今後を見守る形になると思いますが、フットワークは継承されている馬が多いと感じます。どうしてもひいき目はあると思いますが、アベレージの高い種牡馬になると感じていますので、そのなかでタイトルを取れる馬が出ればいいなと思っています」と、種牡馬・ウインブライトに期待を寄せていた。(競馬ライター)

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