【エプソムC】重賞初制覇のノースブリッジ、昨秋以降は東京4戦3勝! 秋の古馬G1戦線に期待

ノースブリッジ(右)が追撃をしのいで重賞初制覇
ノースブリッジ(右)が追撃をしのいで重賞初制覇

◆第39回エプソムC・G3(6月12日、東京・芝1800メートル)

 東京競馬場で行われたエプソムC・G3はノースブリッジ(岩田康)が3か月半ぶりの実戦でいきなり重賞初制覇。地力強化を証明し、今後の飛躍を予感させた。

 陣営期待の素質馬がついに初めての重賞タイトルを手にした。ノースブリッジは残り300メートルから早めに先頭に立つと、そのままパワフルに加速。岩田康の右ムチが入ると内へややもたれる面こそ見せたものの、ライバルが迫るともうひと伸び。着差こそ首だったが、それ以上に強さが際立つレース内容だった。「遊ぶ癖があって他馬に迷惑をかけてしまった」と鞍上は反省。それでも「奥が深い馬。これからの馬だし、上を目指せる」と期待の高さも口にした。

 粗削りな面を見せながらもつかんだ勝利。難しい気性が出世を妨げてきたが、「調教で先行してもエキサイトしなくなって、騎手が待てと言えば待てるようになったのが大きな成長」と奥村武調教師。一歩ずつ階段を上がる愛馬に目を細める。

 「こういう馬場も良かったと思う」とトレーナーが口にするように天も味方した。本番2時間前に横殴りの雨。馬場が一気に良から不良まで悪化した。レース時には重まで回復したものの、稍重で2勝を挙げるパワータイプの同馬には追い風が吹いた。一方、昨秋以降、東京コースではこれで4戦3勝。“府中巧者”ぶりも印象づけつつある。

 今回は9ハロン戦を制したが、奥村武師は「2000メートルぐらいでポジションを取れる競馬がしたい」と今後を見据える。まだまだ伸びしろを感じさせる勝ちっぷりから、天皇賞・秋(10月30日、東京・芝2000メートル)もイメージさせるモーリス産駒。次走は未定だが、今夏でさらに成長できれば、秋の古馬G1戦線では面白い存在になるかもしれない。(石行 佑介)

 ノースブリッジ 父モーリス、母アメージングムーン(父アドマイヤムーン)。美浦・奥村武厩舎所属の牡4歳。北海道新冠町・村田牧場の生産。通算9戦5勝。総収得賞金は1億423万6000円。重賞初勝利。馬主は井山登氏。

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