【21年天皇賞・秋】陣営が熟考を重ね出走決断 「馬優先」でエフフォーリアが19年ぶり3歳馬V達成

昨年の天皇賞・秋はエフフォーリア(右)が19年ぶりの3歳馬V。コントレイル(左)、グランアレグリアを倒した
昨年の天皇賞・秋はエフフォーリア(右)が19年ぶりの3歳馬V。コントレイル(左)、グランアレグリアを倒した

 適性、そして、未来を見つめての決断だった。3歳馬エフフォーリアは、3冠ラストの菊花賞に向かわず、秋の初戦に選んだのは天皇賞・秋だった。

 3歳馬による古馬頂上決戦での勝利は、02年シンボリクリスエスまでさかのぼる。その間、24頭が挑戦し、涙をのんできた。古馬の高い壁に阻まれ続けた歴史に立ち向かうことは容易ではない。

 皐月賞を制し、ダービーで2着。普通なら菊花賞へというのが当然の流れだが、オーナー、牧場、鹿戸調教師は、熟考を重ね答えを導き出した。鹿戸調教師は「東京2000メートルが合っていると思ったし、将来を考えると3000メートルを走った後のダメージとかが心配だった。先がある馬だから。夏を越して力もつけているし、斤量も軽い。恥ずかしい競馬にはならないと判断しました」と意図を説明する。

 レースは、前年の3冠馬コントレイル、グランアレグリアを相手に、直線で早め先頭から押し切り、3歳馬による19年ぶりの勝利を果たした。師も「能力を再確認できた」と自信を確信に変えた瞬間だった。その後、有馬記念も制し、年度代表馬に選出された。既成の概念にとらわれず、「馬優先」でつかみ取った快挙だった。(松末 守司)

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