◆香港カップ・追い切り(7日、シャティン競馬場)
香港国際競走(11日、シャティン競馬場)の追い切りが7日、同競馬場で行われた。香港カップでG1初制覇を目指すジャックドールは、芝コースで新コンビの武豊と初コンタクト。海外G1・10勝目がかかるレジェンドが好感触を得た。きょう8日にゲート番が発表される。
ジャックドールが完璧なデモンストレーションだ。初コンビとなる武豊を背に芝コースに登場。単走だったが、人馬で呼吸をぴったりと合わせスムーズに加速。手綱は持ったままだったとはいえ、直線に入っても集中力を切らさず、ラストまで弾むように伸びて、6ハロン85秒1―ラスト2ハロン23秒8をマークした。
5年ぶりに香港国際競走に参戦する鞍上は「コンディションはいいのでオーバーワークにならないように乗ったが、パワフルなフットワークで馬はすごくいい感じ。レースがなおさら楽しみになった」と節目の海外G1・10勝目を視界にとらえる。
香港の馬場を味方につける。シャティン競馬場はほぼ平坦で小回りと、コース形態は札幌競馬場などと類似。藤岡調教師は「天皇賞・秋が最大目標だったけど、馬場も含めて、このレースを考慮して札幌記念を使った」と話したが、その札幌記念を強敵パンサラッサを2着に下して制したように、舞台は最適と言える。トレーナーは「コーナーの感じとか札幌に似ている。ねちっこい芝だけど、パワーもあるし、合うと思う」と好感触を伝えた。
前走の天皇賞・秋こそ4着だったが、今年はG2・2勝を積み上げた。藤岡師は「能力は高いのでかみ合えばG1を取れる」と力を込める。16年の覇者である父モーリスは香港マイル、チャンピオンズマイルと当地で3戦3勝の巧者。刻まれるDNAを武器に、悲願のビッグタイトルは手の届くところにある。