【有馬記念】遅れてきた大物、ヴェラアズールが史上5頭目「同年のジャパンC→有馬記念連勝」に挑む

史上5頭目の偉業に挑むヴェラアズール
史上5頭目の偉業に挑むヴェラアズール

◆第67回有馬記念・G1(12月25日、中山・芝2500メートル)

 暮れの大一番、第67回有馬記念・G1(25日、中山)は、ジャパンCでG1初制覇したヴェラアズールが、史上5頭目となる有馬記念との同年の連勝に挑む。

 遅れてきた大物が、歴史的名馬たちと肩を並べようとしている。G1初挑戦で世界決戦を制したヴェラアズール。過去に4頭が達成し、06年のディープインパクト以来となる「同年のジャパンC→有馬記念連勝」に挑む。

 開業7年目で大記録への権利を得た渡辺調教師は、騎手時代にナリタトップロードで3度、グランプリの騎乗経験がある。〈7〉〈10〉〈4〉着と勝利は手にできなかったが「(02年は)ファン投票1位にもしてもらいました。それが僕のベースというか、調教師になった理由。ファン投票1位になるような、多くの人に愛される馬づくりを目指しています。そういう意味で有馬記念は特に思い入れがあります。力は入ります」と熱く語る。

 放牧を挟んで中3週で臨む大一番。14日に栗東・CWコースで行った1週前追い切りは単走馬なりで83秒1―11秒8とシャープな動きを見せた。「少なくとも状態はキープできています。最終追い切り次第では前走以上に持って行けると思います」とトレーナーは仕上がりに胸を張る。

 広い東京の2400メートルから、小回りでも特にトリッキーな中山の2500メートルへ。近年は舞台適性やレース間隔が考慮され、両G1を使うトップホースは減少傾向にある。G1を7勝して16、17年と連続で年度代表馬に選出されたキタサンブラックも16年がジャパンC《1》着→有馬記念2着、17年がジャパンC3着→有馬記念《1》着。あと一歩のところで届かなかった。

 狭いスペースを割って突き抜けたジャパンC。渡辺師は一戦ごとに新たな成長を見せるエイシンフラッシュ産駒なら、十分にこなせるとみている。「内でごちゃごちゃしても問題ないですし、外を回される方が嫌ですね。今回は内枠の方がいいのかな。中を割っていくぶんには前走の走りなら大丈夫。必要になりそうな一瞬の脚も見せてくれたので」と強調した。

 手綱を任せるのは京都大賞典で重賞初Vに導いた松山。「開業当初からけっこう乗ってもらって、すごく相性のいいジョッキー。彼自身もここが頑張りどころですよね。弘平ちゃんで結果が出れば、僕もうれしいですよ」。今年3月に芝に転向してから6戦全てで上がり最速をマーク。底知れない破壊力を秘めた末脚で、国内最強の座をつかみ取る。(吉村 達)

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