◆ドバイ・ワールドカップ・G1(3月25日、メイダン競馬場・ダート2000メートル)
野球の次は競馬が世界一だ! ドバイワールドカップデーに出走した日本馬が、侍ジャパンのWBC優勝にも劣らぬ快挙を成し遂げた。ウシュバテソーロは一気の差し脚でワールドC・G1を制し、凱旋門賞・G1(10月1日、パリロンシャン競馬場・芝2400メートル)挑戦を表明した。
ウシュバテソーロは、21年5月に1勝クラスを勝った時が強かった。普通なら続けて競馬に使いたくなるところだが、管理する高木調教師は「この馬は夏に弱いので、涼しくなるまで放牧に出しましょう」。美浦近郊ではなく、北海道の牧場で約5か月充電した。
翌年4月に横浜S(3勝クラス、東京)で強烈な勝ち方をした時も、やはり北海道に放牧し、秋の中山まで待った。実は当時から関係者の間では「いずれは凱旋門賞に行きたいね」と話が出ていた。しかし、成長曲線を見抜き、決して無理をさせなかった高木師の確かな目に驚嘆させられる。
気温が高いドバイ遠征は心配だったが、もうそんなことを気にするレベルの馬ではないのだろう。もし凱旋門賞に挑戦なら、12、13年とも2着に敗れた父オルフェーヴルのリベンジを果たしてほしい。(山下 優)