【秋華賞】横山典弘の一言で開花モリアーナが打倒リバティの“穴”

紫苑Sに続き、再び強烈な末脚を繰り出したいモリアーナ
紫苑Sに続き、再び強烈な末脚を繰り出したいモリアーナ
モリアーナの距離適性を見抜いた横山典(右)と武藤調教師
モリアーナの距離適性を見抜いた横山典(右)と武藤調教師

◆第28回秋華賞・G1(10月15日、京都・芝2000メートル)

 いろんな意味で驚きの変わり身を見せた。東のトライアル、紫苑Sで重賞初制覇を飾ったモリアーナは大胆不敵な横山典とともに不気味な存在だ。その前走は道中最後方から直線で鮮やかに馬群を縫って一気の追い込みV。開業21年目でG1初制覇を狙う武藤調教師は「あっぱれですよね。ゴール前で突然現れて、喜びが短かった。だからもったいなかった(笑い)」と、冗談交じりに名手の手綱さばきを褒めちぎる。

 初コンビだった2走前のNHKマイルCこそ6着に終わったが、鞍上の進言は強く印象に残っている。「ノリがオークスの方が魅力がある。面白い、と言っていた。確かに前走のあの感じだったら、2400メートルでもおさまるよね」。気性面の難しさから力を発揮できないレースもあったなか、ベテランのジャッジがマイル路線から最後の1冠を目標にかじを切らせ、前哨戦Vから堂々と挑む立場に導いた。

 武藤師は騎手時代、横山典と同じ86年デビュー。「やっぱり腹をくくれるところと天性の技術があるからね。騎座(きざ)の安定がすごいから、折り合いを欠いているところをあまり見ないし、モリアーナに合うのでは」と衰え知らずの55歳の“うまさ”に敬意を表する。

 追い切り前日は角馬場からBダートコースで軽めの調整を行った。「紛れのある舞台。楽しみはあるし、絶対にかなわないという気にはならない」とファイティングポーズを崩さない指揮官。名手の巻き起こす“化学反応”で番狂わせを狙う。

(坂本 達洋)

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