◆菊花賞1週前追い切り(12日・美浦トレセン)
第84回菊花賞・G1(22日、京都)の出走予定馬17頭のうち15頭が12日、東西トレセンで1週前追い切りを消化した。日本ダービー馬タスティエーラ、皐月賞馬ソールオリエンスはいずれも美浦・Wコースで調整。春2冠を分け合った両雄が23年ぶりに激突する注目の再戦へ、ともにペースアップした。
ダービー馬が貫禄を示す1週前追い切りを披露した。タスティエーラは美浦・Wコースでレヴァンジル(4歳3勝クラス)を3馬身追走。直線に入って内に潜り込むと軽快なフットワークでスピードに乗り、最後は2馬身差をつけてフィニッシュした。堀調教師は「自分からハミをとってすんなりと無理なく加速していました」と評価。直線は内めに進路を取ったとはいえ、6ハロン80秒5は皐月賞の2週前追い切り時にマークした81秒2を0秒7更新する自己ベスト。馬なりのままマークしたラスト1ハロン11秒2はこの日のWコース最速と、ひと夏を越しての進化がはっきりと数字に表れた。
9月21日の帰厩後、Wコースでの調教は3本目となったが、ひと追いごとに時計を詰めている。「環境が変わるとカイバ食いが落ちる点は以前と変わっていませんが、ウィークポイントの背中の痛み、歩様などは、春当時より良くなってリフレッシュしたいい状態です」と堀師。ダービーから直行という異例のローテーションだが、2冠に向けての調整は順調そのものだ。(西山 智昭)