◆第40回ホープフルS・G1(12月28日、中山・芝2000メートル)
血統編はシンエンペラーにG評価をつける。昨年、フランスのセリで210万ユーロ(当時のレートで約2億8000万円)で落札されたが、値段だけでなく、兄姉2頭の戦績からもワールドクラスの名血ということが分かる。
5歳上の全兄ソットサスは仏ダービー、ガネー賞、凱旋門賞とフランスを代表するG1を3勝。7歳上の半姉シスターチャーリー(父マイボーイチャーリー)はブリーダーズCフィリー&メアターフなど芝1700~2200メートルのG1を7勝した。成長力に富み、大舞台での勝負強さ、底力を持ち合わせていた。
父シユーニは現役時代12戦4勝。ジャンリュックラガルデール賞(芝1400メートル)が唯一のG1勝利だった。産駒もマイル以下を活躍の場にする馬が多く、これまで日本では芝1200メートルのモルガナイトSを勝ったヴィズサクセスが目立つ程度。ただ、ヌレイエフ―ノーザンダンサーとさかのぼっていくサイアーラインは豊富なスタミナを伝える。中、長距離をこなす馬が出ても何ら不思議はない。
シンエンペラーはノーザンダンサー、ミスタープロスペクター、ミスワキ、スペシャルと4頭のクロスを持つ。それぞれ高速馬場に対応できるスピード、スタミナ、パワー、早熟性を伝える。高いレベルでバランス良く受け継いでいれば、2000メートルの2歳G1はあっさり突破できそうだ。