2023年の最後のG1ホープフルSを制したレガレイラ(牝3歳、美浦・木村哲也厩舎、父スワーヴリチャード)を、追い続けたい。
同レースがG1となって以降、牝馬で制したのは史上初の快挙で、すでに歴史的な馬になってはいるが、函館に滞在したデビュー前に取材した時から注目してきた1頭だ。
その前走は、スタートで後方になり4角でも大外に持ち出さなければならなかったりと決してスムーズとは言いがたかったが、メンバー最速の上がりで直線をぶっこ抜いた走りは、規格外と言える強さだった。思えば、新馬戦でも、のちの札幌2歳Sを制するセットアップに1馬身半差をつける勝利。450キロ台とは思わせない大きなフットワークで走る姿に、「将来性は抜群」とノートに大きく書き記したことはいまでも覚えている。
曾祖母は言わずと知れたディープインパクトを生んだウインドインハーヘア。一族にダービー馬レイデオロなど活躍馬がズラリと並び、半兄ドゥラドーレスも菊花賞で4着するなど、日本が誇る名血ファミリーの出身で、血統背景からもその未来は明るいと言える。
2歳の頂点に立ったその日、ノーザンファームの吉田勝己代表が、「リバティアイランドみたい」と言えば、サンデーレーシングの吉田俊介代表は「皐月賞の選択肢をとる可能性は高いと思います」と牡馬戦線への挑戦を示唆した。牡牝の枠を超えて歴史に挑むスワーヴリチャード産駒の逸材が、どこまで上り詰めるのか、見ていたい。(松末 守司)