【2023年レース回顧・戸田】ドウデュースの有馬記念勝利は“必然”だった

有馬記念を制したドウデュース(手前)
有馬記念を制したドウデュース(手前)

◆京都記念・G2(2月12日、阪神2200メートル、13頭立て=良)

 有馬記念で華々しく秋2走の悔しさを晴らしたドウデュース(牡4歳、栗東・友道康夫厩舎、父ハーツクライ)。その強さを改めて再認識したが、記者は今年初戦のパフォーマンスに魅了された。

 ドバイ・ターフ(左前肢跛行のため出走取消)への出走を見据え、昨年の凱旋門賞19着からの国内復帰戦。一昨年の年度代表馬・エフフォーリアとの初対戦としても注目を集めた一戦だった。レースは圧巻のひと言。ペースの上がった3コーナー過ぎからただ一頭だけ、“別次元”の手応えでまくり気味に進出。11秒6―11秒3―11秒6のラップを刻んだラスト3ハロンを、次位に0秒5差つける34秒0の末脚で快勝。4コーナー手前でドウデュースの勝利を確信。そこからは、自分の本命馬・マテンロウレオ(2着)の2着争いしか見ていなかったほど圧倒的な強さだった。

 ただ、京都記念で素晴らしい能力を目の当たりにしながら、有馬記念では本命に推せなかったことが情けない。今年の京都記念は宝塚記念と同じ、阪神2200メートルの舞台で行われたにも関わらずだ。以前から関連性の高いと言われる宝塚記念と有馬記念。ともに非根幹距離(400メートルで割れない距離)の右回りで行われ、直線が短い上に急坂が待ち構えるコース設定。求められる“能力”が共通している点が、両グランプリを好走する馬が多い要素だと思う。勝負事に「タラレバ」が禁物なのは承知しているが、今後への自戒の念も込めてこのレースを選んだ。

 そして有馬記念で本来の輝きを取り戻したドウデュースは来年、再度の海外遠征も視野に入れている。どんなパフォーマンスで世界のホースマンを驚かせてくれるのか。胸を高鳴らせ、その時を待ちたい。(戸田 和彦)

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