【こちら日高支局です・古谷剛彦】認知度高まりつつある繁殖馬セール

シゲルピンクルビー
シゲルピンクルビー
セールの様子
セールの様子

 北海道新ひだか町静内の北海道市場で24日、冬季繁殖馬セール(主催ジェイエス)が開催された。繁殖馬セールは、08年から冬季開催を実施し、年に2回行われている。冬季は、未供用馬(競走生活を終える予定の馬)を中心に上場馬を確保している。20年は55頭が揃ったが、それ以降は21年34頭、22年22頭、23年25頭と上場馬の確保に苦労していた。そのなかで昨年は、セール史上初の1億円超えとなる、1億5000万円でシゲルピンクダイヤ(当時7歳、上場時にモーリスを受胎)が落札されて話題を呼んだ。今年の上場馬は39頭(受胎馬18頭、空胎馬6頭、未供用馬15頭)と、前年より14頭も増えた。

 売却総額は2億31万円(金額はすべて税別、前年比7298万円減)、売却率は61.54%(前年比30.46ポイント減)に終わった。ただ、21年報知杯フィリーズレビューを優勝したシゲルピンクルビー(牝6歳、父モーリス、母ムーンライトベイ)をが1億4500万円でノーザンファームが落札。歴代2位の高額取引馬で、未供用馬の最高額を更新した。シゲルピンクルビーは、昨年の最高額だったシゲルピンクダイヤの半妹に当たる。重賞勝ちの実績があったり、牝系が優れていたりする馬は、セレクトセールなど選抜された市場に上場できるチャンスが高まる。22年冬季でも、19年フィリーズレビューを制したノーワンが、未供用馬の当時最高額となる6600万円で取引された。シゲルピンクルビーは、鞍馬Sの勝利やG3入着も複数あったことを考えれば、激しい競り合いになったことも頷ける。

 ジェイエスの大西恵介セールスマネジャーは「購買者の方々の目も厳しくなっているなかで、昨年とほぼ同じ落札頭数でしたが、上場馬に楽しみな馬が揃っていたなかでG2ウィナーが高額取引されるなど、満足のいく結果だと思います。馬主の上場が増えていますので、徐々に繁殖馬セールが認知されつつあるのかなと感じています。特に、未供用馬をセールに上場することで、馬産地に牝馬を流通させるルートを活用していただけていることは、馬産地を含めて我々にとってもうれしいことです」とセールを振り返った。(競馬ライター)

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