◆第41回フェブラリーS・G1追い切り(14日・栗東トレセン)
手綱から伝わる抜群の感触に思わず表情が緩んだ。長岡が騎乗したガイアフォースは栗東・坂路を単走。跳びの大きなダイナミックなフォームで、馬なりのまま加速ラップを刻み、ラスト1ハロンは11秒7と力強く伸びた。「先週しっかりやって、体の使い方が良くなっています」と良化ムードを伝えた。
相棒は今回が初のダート挑戦。参戦が決まってから3、4日の競馬開催日は早朝5時からの調教にも駆け付け、その後に京都で騎乗。普段の調教から可能な限りコンタクトを深めてきた。「跳びが大きくてきれいな走りをする。ダートだと力強さが必要。前駆でかき込むようなフォームにしている」と教え込んできた。「体がごつくなってきた。母父のクロフネが年を取るごとに出てきている」と若駒時代との違いも指摘した。
これまでの縁が実を結ぼうとしている。現在は栗東・高橋亮厩舎に所属しているが、美浦・小島茂厩舎からデビュー。当時の阿部助手(現在、美浦・木村厩舎)が、杉山晴調教師と旧知の仲だったこともあり、19年5月の栗東移籍後、調教を手伝うようになった。20年のフェブラリーSで、杉山晴厩舎のケイティブレイブでG1初騎乗。16番人気2着で大波乱を演出した。同年の小倉記念ではガイアフォースと厩舎、馬主(KRジャパン)が同じアールスターで重賞初制覇を飾った。
「オーナーや杉山先生、ガイアフォースがG1を取れるようにリードしたい。悔いが残らないように」。感謝の思いを伝えるべく、こん身の騎乗で最高の結果を出す。(戸田 和彦)