◆第41回フェブラリーS・G1(2月18日、東京競馬場・ダート1600メートル)
2年連続、地方競馬の年度代表馬に選ばれたイグナイターが満を持してJRAへ乗り込んでくる。最終追い切りは直線で軽く気合をつけただけだったが、園田のダートコースを均整の取れた馬体がパワフルに駆け抜けた。「前走(JBCスプリント)から距離が延びるのでその対策として若干、長めから追った。息遣いがいいね」。最終追い切りにも騎乗した新子雅調教師は手綱から伝わってきた絶好の感触に思わず笑みがこぼれる。
今や地方の顔となった同馬だが、20年11月にJRAでデビューして2戦1勝。その後、南関東を経由して21年8月に全国で通用する馬を送り出したいと意気盛んだった新子厩舎の所属となり進撃が始まった。22年には黒船賞(高知)とかきつばた記念(名古屋)の交流G3を連勝。昨年も積極的に交流競走に参戦し、JBCスプリント(大井)で悲願のG1制覇を成し遂げた。「ここまで怖いぐらいに順調にきた」と同師は自信を持ってイグナイターを晴れの舞台へと送り出す。
東京の1600メートルは自らが初勝利を挙げた舞台。1999年メイセイオペラに次いで地方馬2頭目の勝利を新たなコレクションに加え、海外遠征を見据えている。「初出走で経験している舞台だし、普通に戦えると思うよ」と新子師の口調もいつも以上に熱がこもっていた。(蔵田 成樹)