◆第31回チューリップ賞・G2(3月2日、阪神競馬場・芝1600メートル=1~3着馬に桜花賞の優先出走権)
例年、桜花賞への「王道」となるトライアルだが、今年は多くの有力馬が本番へ直行。ここも賞金900万円より上の馬は2頭しかいないが、そのうちの1頭になるショウナンマヌエラ(牝3歳、栗東・高野友和厩舎、父ジャスタウェイ)が気になっている。
デビュー前から高野調教師の高い評価を聞いてきたが、昨年7月の新馬Vは4番人気。続く新潟2歳Sは10番人気で2着だった。あまり人気を集めていなかったのは恐らく、中間の時計が地味なことが大きいと思うが、高野厩舎は栗東・坂路で1日2本乗りが多く、時計を求めない傾向。しっかり量は乗り込んでおり、この中間も坂路で最も速い時計は55秒2だが、これで配当妙味が出るならむしろ美味しい。
今から振り返ると新馬戦の3、4着馬は現オープン馬で2、5、6、9着馬もすでに勝ち上がっている粒ぞろいのメンバーでだった。新潟2歳Sも勝ち馬が2歳女王のアスコリピチェーノで相手が悪かったということに尽きる。強敵にもまれた経験値もメンバーの中では最も豊富で、巻き返しがあってもおかしくない。(山本 武志)