◆第61回報知杯弥生賞ディープインパクト記念・G2(3月3日、中山競馬場・芝2000メートル=1~3着馬に皐月賞の優先出走権)
「弥生賞の結果は皐月賞に直結しない」。これは近年では常識になっている。現に、勝ち馬がそのまま皐月賞も制したのは2010年のヴィクトワールピサが最後。本番と成績のリンクしないトライアルだ。
理由はシンプルで、ペースが違いすぎるから。まだ気性の幼い若駒戦、しかもトライアルとあってスローペースになりやすい。過去10年で前半1000メートル通過が61秒を切ったのは、マカヒキの勝った16年の1度だけ。必然的に弥生賞の勝ち馬は前にいる馬になり、マカヒキ以外は全て4角5番手以内。一方、本番の皐月賞は過去10年で1度も61秒より遅くなったことがない。勝ち馬も去年のソールオリエンスに象徴されるような差し馬が目立つ。
いずれにせよ報知杯弥生賞で狙うべきは前にいける馬。今回はダノンエアズロック(牡3歳、美浦・堀宣行厩舎、父モーリス)に注目したい。前走のアイビーSでは2番手から上がり3ハロン最速となる32秒7の末脚を繰り出し、のちにホープフルSを制すレガレイラを完封した。今回も相手関係的に好位が取れる。多頭数の経験がないのは不安視されるが、もまれない前にいってしまえば大きな影響はない。スローペースから再び抜け出して、無傷の3連勝を飾るとみた。(角田 晨)