◆第61回報知杯弥生賞ディープインパクト記念・G2追い切り(28日・美浦トレセン)
皐月賞トライアルの第61回報知杯弥生賞ディープインパクト記念・G2(3月3日、中山=3着まで優先出走権)の追い切りが28日、東西トレセンで行われた。美浦・Wコースでは2戦無敗のトロヴァトーレが好時計をたたき出し、アピールした。
大物感漂うトロヴァトーレが申し分のない動きを披露した。最終追い切りは美浦・Wコースでスクルトゥーラ(5歳1勝クラス)との併せ馬。道中は4馬身ほど追走すると、直線は軽く仕掛けた程度で力強く脚を伸ばす。ゴール板では半馬身遅れたが、その後に悠々と抜き去っており、心配する必要はない。6ハロンは自己ベストを2秒8も短縮する79秒5の好時計。ラストも11秒6でまとめ、初タイトルへ向けて抜かりはない。見守った鹿戸調教師は「稽古駆けする馬を相手に、いい調教ができた」と納得の表情を浮かべる。
中山の芝2000メートルで新馬戦―葉牡丹賞と2連勝。前走は昇級戦にもかかわらず、一瞬開いたスペースに飛び込むと一気にエンジン点火。メンバー最速の上がり3ハロン33秒9の末脚で、楽々と2馬身突き抜けた。「言い過ぎかもしれないけど、ダービー候補の一頭だと思います」と当時手綱を執ったビュイックが最大限の賛辞を贈ると、新馬戦で勝利を飾ったルメールも「体の感じが似ていて、レイデオロよりも乗りやすい」と、自身の手綱でG12勝へ導いたダービー馬の父を引き合いに高評価したほどだ。「他の馬に比べて経験値は少ないけど、いいモノは持っているし、能力はすごく高い馬」と鹿戸調教師の期待も当然高い。
上昇ムードで迎える重賞初挑戦の舞台。「ここで賞金を加算してクラシックへ向かいたい」と指揮官が語るように、クラシック参戦に当確ランプをともすのは最低ミッション。あっさりと突破するようなことがあれば、クラシック路線の勢力図が一気に塗りかわる。(浅子 祐貴)