【高松宮記念】武豊騎手の体感超える50秒9―11秒7をマークした4歳牝馬 レジェンドも絶賛「動きは抜群」

武豊が好感触を得たソーダズリング(カメラ・高橋 由二)
武豊が好感触を得たソーダズリング(カメラ・高橋 由二)

◆高松宮記念追い切り(20日・栗東トレセン)

 春G1シリーズ開幕戦、第54回高松宮記念(24日、中京)の追い切りが20日、東西トレセンで行われた。馬トクスタッフの総合ジャッジで動き1位のG評価を得たのが、ソーダズリング。栗東・坂路で50秒9をマークし、武豊が「抜群」と絶賛する動きを披露した。

 そのスピードはレジェンドの体感を超えていた。ソーダズリングは栗東・坂路を単走。武豊が手綱を持ったままでも自然とペースが上がり、ラスト1ハロン過ぎに軽く動かした程度でも弾むようなフットワークで勢いは鈍らない。加速ラップで50秒9―11秒7をマーク。「動きは抜群。予定より速くなったけどね。相変わらず乗り味がすごくいいし、フットワークもいい」

 そんな武豊の高い期待が大舞台への道を切り開いた。当初、ヴィクトリアマイル(5月12日、東京)を見据えた一戦だった京都牝馬Sを、重賞初制覇という最高の形で賞金加算に成功。次の様々な選択肢の中で「高松宮記念がいいのでは」と自ら提案した。「初の距離というか、毎回通過している距離。ちょっと急がした方がいい」と笑みを浮かべる。

 管理する音無調教師は来年2月に定年引退。重賞87勝を含むJRA通算973勝を挙げる名トレーナーにとって、オレハマッテルゼによる06年のこのレースがG1初制覇だった。18年も前だが、当時の記憶は自然とよみがえる。「マッテルゼもマイルから1400メートルを使って、最終的に初の1200メートルがG1だった。それで勝ったんだよね」

 最後となる“原点”のレース。偉大な先輩と同じような過程をたどってきた4歳牝馬を送り出す。「ソーダズリングはマッテルゼより稽古は動く。動くということは能力を秘めているということ」。厚い信頼を胸に、あとは頼れる鞍上に託すだけだ。「どこまでやれるかだけど、不安よりも楽しみな方が大きいですね」と武豊。春の尾張で再び歓喜の瞬間を刻み込む。(山本 武志)

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