◆ドバイ・シーマクラシック・G1(3月30日・メイダン競馬場・芝2410メートル)
計7競走に日本馬23頭が出走するドバイワールドカップデー(30日、メイダン競馬場)は、ドバイ・ワールドCなどG1・4競走がJRA海外馬券発売される。シーマクラシックでは、昨年の牝馬3冠馬リバティアイランドが初の海外遠征に臨む。
女王にとって、新たな挑戦だ。昨年の3冠牝馬リバティアイランドが、ドバイ・シーマクラシックで海外レースに初参戦。中内田調教師は「ここでどういう走りをしてくれるかで、今後が見えてくる。しかも世界の強豪と一緒に走って、リバティがどういうパフォーマンスをしてくれるかも見られる」と胸を高鳴らせる。
牝馬3冠レースは全て完勝。同世代では無敵だった。そこに立ちはだかったのが、ジャパンCで初対戦したイクイノックス。先に抜け出した世界最強馬を好位から懸命に追ったが、4馬身離された2着。影すら踏めなかった。中内田師は「この子なりに頑張ってくれたんですけど、前に1頭、化け物がいた。ただそれだけですよね」と完敗を認める。しかし、「いい経験になったと、次の競馬の後、言いたいですよね」と、ただの負けで終わるつもりはない。
4歳初戦を前に、指揮官は「精神的に大人になったのかな、という感じはありますよね。走り方にも、力強さが出てきた印象を受けます」と評価。その一方で“ピーク”はまだ把握できていない。「分からないですよね、どこがこの子の完成なのか。常に競馬に行くとトップパフォーマンスをしてくれていますし」。その素質と成長曲線は、天井知らずだ。
海外初挑戦でも、陣営に無駄な気負いはない。中内田師は「うちらは世界一を取りに行こうという考えじゃなくて、彼女にベストなパフォーマンスをしてもらう(という考え)。それ以上はない」と泰然自若だ。昨年の日本競馬界を引っ張ったヒロイン。その豪脚を武器に、ドバイでも輝きを放つ。(水納 愛美)